鯖缶@3rd&forever

2児の父のエッセイブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターあるあるなど。

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教えるのがヘタなヤツあるある【コールセンターOJT】

コールセンターは離職率が高い。新人も、中堅も、ベテランもガンガン仕事をやめていく。入れ違いで別の新人が入ってくるので、常に「新人教育」が回転している。


それなのに、悲しいことに。「教えるのが上手いトレーナー」の数は本当に少ない。よくある問題点を整理するために、「教えるのがヘタなトレーナーあるある」をメモしてみた。


(もくじ)

教えるのが好き

これはひょっとしたら僕の偏見かもしれない。でも、このコラムの骨子になる内容なので、どうしても最初に書きたいんである。


「教えるのが好きヤツに限って、教えるのがヘタ」じゃないですかね。


どういうことか。「先輩風を吹かせて後輩に仕事を教えること」って、性欲や食欲に匹敵するほどの、「快感」だと思う。もう、これはしょうがない。偉そうにすることは、「最高に気持ちがいいこと」だと、認めた方がいい。その快感を自覚してない人は、それに溺れてしまう。


「教わる側のニーズ」を汲み取れずに、「教えたら偉そうにできること」を優先して教えてしまう。「教えるのが好き」なのはしょうがない。でも、それを恥ずかしげもなく表に出せる人は、たいてい教えるのがヘタ、なんである。


「ちなみに」

教えるのがヘタな人は、「新人が今困ってること、知りたいこと」よりも、「自分が教えたいこと」を優先してしまう。そんな人が口癖にしがちなのは、「ちなみに」である。


どうしても我慢できない。豆知識や、自己流のコツを伝えてしまう。まだ「原則」を理解できない新人に、「例外」を伝えるのは非効率だ。なのに、教えてしまう。ああ。

 

「絶対にダメ」

業務ルールや商品知識の習得がまだ完全でない新人が、間違ったトークや入力をした時に、トレーナーが何か指摘をする。新人は、トレーナーの言ってる内容に納得できず、「何でですか?」と聞き返す。そんな時に、教えるのがヘタなトレーナーは、「とにかく絶対ダメ」と言いがちなんである。


このやり取りの何がヘタか。新人の「何でですか?」を、「反抗的な態度」「言い訳」のように寄せて受け止めているところ。そんなの受け取り方次第じゃないですか。


「ダメ出しを受け止めてもらえなかった」ことを、「新人が素直じゃない」と取るか、「教える自分が説明不足だった」と取るかで、コミュニケーションの質は変わっていく。「アンタ、素直じゃないね」という態度で新人に接していると、本当に素直じゃなくなっちゃうと思うけど。

 

タメ口で話す

「タメ口」は、感情が乗りやすいので要注意かな、と思う。新人がお客の対応を開始して、それをトレーナーが横でフォローする時には、新人だけでなくトレーナーにもプレッシャーがかかるもの。


そこで、トレーナーの心の動きが表に出てしまうと、新人は「お客を怒らせないように」に加えて「トレーナーを怒らせないように」と、ダブルで気をつけなくてはいけなくなって、仕事の難度が一気に上がってしまう。

 

つまらない冗談を言う

「冗談を言いたがる上司」は要注意だ。あれは、「場を和ませよう」としてるのではなく、「俺は好きなことを言っていい立場だ」ということを周囲に誇示して、自分で確認してるのである。(僕は、朝礼でギャグを言ってくるのは「権力の乱用」だと思っていて。この考えがいち早く世の中の常識になってほしい)


もし場を和ませたいなら、上司は冗談を言わないでいい。調子に乗った部下の冗談に、控えめに笑うぐらいで丁度いいじゃないですか。冗談を言いたがる上司に限って、部下の冗談に非寛容だ。あれは、「好きなことを言っていいのは俺だけ」と心の中で思ってるからじゃないか。


さて、OJTでのトレーナーと新人の関係も同じ。冗談を言いたがるトレーナーは要注意。本当に新人をリラックスさせてるのか、トレーナーが気持ちよくなってるだけなのか、3分ごとに問い直してほしい。

 

一緒にランチ行きたがる

これも同じ。本当に新人が先輩と一緒にランチに行きたがってるか。飲み会に誘ってほしがっているか。よくよく考え直したほうがいい。


(まあ、これは「感染予防の観点で非推奨」という新常識で、このまま「新人誘いたがり先輩」の数は減りそうな気もする)


お客の悪口を言う

態度が横柄だったり、要求が厳しかったりするお客との電話対応を終えたあと。お客に叱られた新人を慰める時に、「今のお客さんはあり得ない」みたいにお客の悪口を言うのは、あんまりおすすめじゃない。


「新人の味方になってあげる気持ちよさ」を最も安直に実現できるのが「お客の悪口」だ。でも、これは教え方が上手い、とは言えない。どうせ同じようなタイプのお客への対応は今後もあるのだ。その度に「お客の悪口」を言っていても、それはむしろオペレーターがお客の「悪さ」を引き寄せてしまうことになる。


具体的な処方箋を示すのがベストだけど、それが難しいなら「大変でしたね。今のお客さんは、私が対応しても、難しかったと思います」というような慰め方でどうか。


おわりに

もう、20年以上コールセンターで働いていて、仕事を教えたことも教わったこともある。研修の資料を作ったり、トレーナーの管理をしたりもした。その中でできあがった僕の「思い込み」をまとめたみた。


仕事を教わる側の状態(どこまで理解できていて、次に何を覚えるのがいいか)を見極めて、新人のニーズをできるだけ尊重してOJTをやるのが効果が高いと思う。


そんななか、トレーナーの「教えることの気持ちよさ」が、案外邪魔になってるんじゃないかな、というのが僕の実感である。


僕には、「トレーナーと新人のペアはなるべく交代したほうがいい」という持論があって、ことあるごとに上司や同僚に提案するんだけど、あまり採用されない。ひょっとしたら、僕が間違ってるのかもしれない。

 

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