鯖缶@3rd&forever

2児の父のエッセイブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターあるあるなど。

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コールセンター歴20年の僕が思う、いいお客様とは

 


コールセンターで実際に電話対応をしたり、新人オペレーターを教えたりする中で、「こんなお客さんばかりだったら助かるな」と感じたことをまとめてみました。コールセンターに電話をかけるときに参考にしてもらえたらうれしいです。

 

(もくじ)

 


「ながら」で電話しない

以前のこと。普段温厚なオペレーターのFさんが、電話を切ったあとひどく憤慨していたので理由を聞いてみると、「今の人、用を足しながら電話してきてたんですよ。失礼じゃないですか」と。僕もトイレから電話してくるのは、「客以前に人として」失礼だな、と思います。


他にも、「テレビ見ながら」「夫婦ゲンカしながら」「運転しながら」など、「ながら」で電話してくる方が時々います。


携帯電話、スマホが普及して、「ながら」が当たり前な時代ですから、「失礼」というほどのことではないかもしれません(トイレはともかくとして)。ですが、電話をかける前に「問い合わせたいこと」「申し込みたいこと」をまとめてから、「ながら」でなく会話に集中できる状況で電話してくださると、電話を受ける側としてもスムーズに対応できて助かります。


復唱してもイライラしない

「イラつくから復唱は省略して」と、電話の最初に宣言してくるお客は、ごくまれだけどいます。口に出さずとも、そう思ってる人も一定数いるでしょう。実は、僕も「プロっぽいでしょう」みたいな雰囲気を出して復唱するようなオペレーターの話し方は好きじゃありません。


「復唱」とは、お客の伝えたことを間違えずに聞き取っているかを確認することであって、どちらかといえばオペレーターの都合にお客を付き合わせること。本来であれば、「復唱をしなくともミスせずに聞き取ること」の方がいい対応のはずで、僕が電話対応をするときも、復唱は「重要なポイントだけ」ゆっくり行うようにしています。


ですが、オペレーターはある程度の割合で「新人」であるのも現実です(正確なデータを確認したわけではありませんが、2年以上の業務経験があるベテランに当たるのは50%ぐらいの確率ではないでしょうか)。お客の用件把握や対応マニュアルの検索、聞いた項目のデータ入力がなかなか間に合わないことも多いです。ですから、対応中に聴取した項目を(どんなに簡単なことでも)随時復唱しながら対応を進めないと、なかなかミスを防げません。


「復唱」は必要なこと、として理解してもらえると助かります。

 

オペレーターの聞く順番に答えてくれる

先ほどの項目で書いたとおりに、オペレーターのうち何割かが「新人」であることを想定してくださると大変助かるという話の続きです。


お客の名前を聞いたときに、「住所」から答える人、あるいは「会員番号わかるけど言いましょうか」という人が時々いるのですが、「名前」をそのまま答えてくださるのが一番助かります。


これはものすごく単純でレベルの低い話なのですが、「名前」を聞いた瞬間には、PC画面の名前の入力欄にカーソルを置いているからです。その段階で名前以外のことを言われても、かえって時間がかかったりします。


顧客番号、会員番号などを先に言われても、オペレーターとしては困る場合があります(※もちろん助かる場合もあります)。というのは、顧客番号でデータを検索したとしても、その本人にしか内容は開示できないというガイドラインがあれば、先に名前をフルネームを申告してもらわないと、顧客番号を言ってもらっても話が先に進まないのです。


個人情報の取り扱いについても、その他のことについても、どのようなガイドラインやトークスクリプト(応対のための台本)、情報聴取の順番が適切かは個々の会社によって異なるでしょう。ただ言えるのは、オペレーターはそのガイドラインに添って対応するので、結局オペレーターの話す順番に従って話を進めるのが一番早いことが多いと思います。

 

メモを手元に用意してる

僕は4つの業種のコールセンターで働いたことがありますが、「コールセンターへ電話して、その場で要求が満たされる」ということは少ないと思います。


例えば、病院の受付業務を、医師はしないでしょう。受付の人が診察券や保険証を確認し、簡単に症状を聞き、番号札を渡して「○番の診察室でお待ちください」と案内する。受付の人が、病気の診断をその場でしないからと言って、怒る人はほとんどいないと思います。


コールセンターでも同様で、その会社が受ける可能性のある問い合わせや注文を聞き、話を整理し、対応ができる担当者や担当部署に受付内容を連携する、という体制がほとんどでないでしょうか。


よく、他の部署の電話番号を案内したり、担当者からの連絡を案内したりすると「たらい回しにするな」とお叱りを受けることがありますが、「電話を受ける業務」を分業化して、実際の対応者(上の例で言えば病院の医師)をその業務に集中できるようにするのが「電話受付」という側面もありますので、「たらい回し」こそがコールセンターの仕事と言えなくもありません。


(だからこそ、コールセンターの対応者の態度や、対応マニュアルは「たらい回しにされた」との印象にならないように慎重に設計されるべきだとは思います)


「たらい回しはしょうがない」という話をしたいのではなくて、「その場で解決しない場合も想定してください」という話です。電話番号や折り返しの連絡時間の約束などをメモできるように、用意して電話してくださると助かります。


ですます調で話す

「客と店員」の関係がどうあるべきか、はさておくとして、「タメ口」には「感情がストレートに出やすい」というのは間違いないのではないでしょうか。


立腹や苛立ちがある場合でも、不満や苦言を伝える場合でも、「ですます」を使ってくださるとオペレーターとしても冷静に対応しやすいと思います。


電話切る前に「ありがとう」

ごく当たり前の内容の、ごく当たり前の対応だったとしても、電話を切る前に「ありがとうございます」と伝えてくださる方が、実は結構います。オペレーターとしては、その一言で救われる思いがすることもあります。


コールセンターの電話対応が、満足のいく内容であることは、それほど多くないかもしれません。それでも、(それはそれとして)電話の最後にオペレーターにお礼を伝えてくださるような方が、オペレーターの成長を支えてくれているのかな、と思います。


おわりに

最後まで読んでくださってありがとうございました。もちろん、1人のオペレーターとしては、「ながら」でかけてくる人、自分の話したい順番に話す人、タメ口で話す人にだって、それに合わせて丁寧な対応をすべきだと思いますし、普段はそうしてるつもりです。


ただ、普段よく思うのですが、大抵の人は「お客でいる時間」よりも「働いてる時間」の方が長いはず。ならば、「お客が気持ちよく過ごすための接客」だけではなく「店員が気持ちよく働くためにお客はどうしたらいいか」を考える人が増えたほうが、世の中が気持ちよく回るんじゃないかな、と思ってまとめてみました。1つでも共感いただける部分があればうれしいです。

 

 

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