鯖缶@3rd&forever

2児の父の雑記ブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターネタ(クレーム対応)などが中心です。

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引っ込み思案の僕が、1人旅をした話(沖縄編⑥・最終回)

(前回までのあらすじ)
20代半ばで「親と同居/フリーター/サブカルクソ野郎」の僕を見かねて、父が溜まったマイレージで航空券をくれた。行き先は、2月の沖縄。15年経ってから記憶だけを頼りに書く旅行記です。5泊6日のイケてない旅行も、イケてないまま最終日です。

 

(前話↓)

引っ込み思案の僕が、1人旅をした話(沖縄編⑤) - 鯖缶@3rd&forever

 

6日目:美ら海水族館へ

5日目には、「平和祈念公園」「ひめゆりの塔」「首里城」と、修学旅行の高校生のようなマジメなコースを選択してしまった僕。ノープランで行ったら、そうなってしまったのだ。

だから僕は、6日目を前に考えた。「明日は、最終日だ。空港には15時に行けば間に合うから、昼飯を食うぐらいまでは時間がある。このまま東京に帰っても、両親に伝えるようなネタがない。何かをしなければ・・・」そして決めた行き先が、「美ら海水族館」である。

今では僕も、「美ら海水族館」が有名な観光スポットの1つと知ってる。その後、よく聞かれるのだ。「美ら海水族館」ってどうだった?と。なぜ聞かれるかというと、那覇の市街地から離れていて、行くとすると最低半日は潰れるので、旅行の日程に入れるかどうか丁度迷う場所にあるから。

僕が、美ら海水族館に行こうと決めた理由も、ほぼそれが全てだった。パッと見、空港からかなり遠いところにある観光スポットだから。往復に時間がかかる。ここに行くことに決めれば、時間が余ることがない、と思った。何しろ、こんなことを言うのは今更だけど、「どこにも行きたくないし、何もしたくない」が僕の本音なのだ。

レンタカーで、1時間程度かかる。道中のドライブは楽しいだろう。僕は、車の運転が好きな自分に気づいて驚いた。初心者だった僕でも、毎日運転したらある程度リラックスできるようになってきた。いろんなことを同時に気にしなければいけないのが車の運転で、その状態を維持しようとすると、余計なことを考えにくくなる。麻雀をしてる時と少し似てる。麻雀も、いろんなことを同時に気を配る必要がある。集中している間は、私小説的な自意識から少し自由になれる。

さて、行き先は決まった。そしてもう1つ。「道中の音楽を準備すること」を思いついた。買ったのはスピッツの「スーベニア」。1曲目の「春の歌」が気に入って、何度も繰り返し聴いた覚えがある。

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そうして着いた「美ら海水族館」。僕は水族館が大好きだと、それまで知らなかったけど、ここで思い知った。水族館、最高である。

水族館のいいところは、ススっと早足で先に進んでもいいし、立ち止まって圧倒されたまま、時間が過ぎるのに耳を澄ませてもいい、というような「清潔な自由さ」があるからではないか。

人類が生まれる前の太古も、人類が滅びた後の未来も変わらずそのまま生きていそうな海の生物たち。見つめて目が離せなくなると、そのまま意識の流れがスローモーションになって、外界に戻った時には長い月日が経っていそうな、竜宮城的なめまい。僕は心が「すう」っと落ち着いて、自分の存在が半透明になったような、軽やかな寂しさを感じながら歩いたり立ち止まったりした。

関西のおばちゃんたちの甲高い声が、意識の遠くから響いてくる。「なんやこれ? カニや。うまそうやなー」「なんやこれ? ウニや。うまそうやなー」言葉の意味はわかるんだけど、意味というよりは響きとして僕の意識を通り抜けていく。

ジンベエザメの水槽の前でも座って、時間が過ぎるに任せた。こんなところに閉じ込められて、かわいそうだな。違うか。ジンベエザメは、自分を哀れんだりしていないだろう。草が風に揺れるのと、あまり違いのない意識で、ヒレを揺らしているんじゃないか。むしろ、かわいそうなのは僕たちか? なにしろ欲が多すぎて、時間が余れば余計なことばかり考えてる。衣食住が足りても、悪夢ばかりみたりする。

水族館の最後は、屋外でのイルカショー(イルカじゃなかったかもしれません。何しろ15年前のことなので)。僕の1列前に座った家族のことをよく覚えてる。

父、母と子ども3人。小4ぐらいの長男は、手に持ったビデオカメラでショーを懸命に撮影してる。一番下の子はたぶん2歳ぐらい。お母さんいだっこされてスヤスヤ。真ん中の、小1か年長かぐらいの女の子が可愛かった。

「こんなのつまんない」って言って拗ねて、ずっと後ろを向いている。何が可愛いって、拗ねていながらもちょっとずつお母さんの方に近づいていき、最後は寄りかかって甘えてた。まだショーは見たくないけど、でも、くっつきたい。お母さんもお父さんも、「せっかくだからちゃんと見なさい」なんて野暮なことは言わずに、女の子を拗ねさせたままにしている。何だか、好感が持てた。

ショーはもう最後になる。「イルカさんに触ってみたい人手を挙げて」みたいなことを、司会のお姉さんが言っている。すぐに手を挙げる子どもたち。でも、僕の目の前にいる女の子は、まだ前を見ようとしない。

僕は、その子に感情移入してしまっている。君も、イルカに触りたいか? でも、恥ずかしくて、今更前を向けないか? それでいいと思うよ。イルカに触りたいかと聞かれて、誰でもすぐに手が挙げられるわけじゃない。なんとかなるよ。たまには素直になってもいいけど、拗ねたままでいても、それで大丈夫だよ、と。

(※実際に、イルカに触れるようなショーの内容じゃなかったかもしれません。エサをあげてみたい人、とかそういうようなことだったかもしれません。)

おわりに・・・

以上で、旅行記はおしまいです。「父の日」みたいなお題で何か書けないかと考えて、25年(※追記:15年なのに、なぜか「25年」と錯覚しました。書いてるうちに、気が遠くなったのかもしれません。正しくは15年です)も昔の1人旅を思い出しました。書き始めたら、思ったより覚えていて、長くなってしまいました。

航空券をくれた父に、旅行の内容を話したり、ちゃんとお礼を言ったりはしていないと思います。そういう意味では、やはり僕は父に甘えているんだな、などと思い出しました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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www.savacan3rd.com

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