鯖缶@3rd&forever

2児の父のエッセイブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターあるあるなど。

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【コラム】ヒットチャートにもジェンダーギャップはあるらしい

ラジオで、「ヒットチャートのジェンダーギャップ」についての話を、ラジオで耳にした。「TOP100」のようなヒットチャートにランクインした曲は、女性アーティストよりも男性アーティストによるものが多いらしい。この傾向は何年も続いているらしく、日本でもアメリカでも男性がかなり優位なのだそう。


「ヒットチャートのジェンダーギャップ」をテーマにした」インタビュー本の紹介としての短いトークだったので、詳しいところまでは分かってないんだけど、ちょっと興味を持った。「出産育児でキャリアを中断や断念することは、女性の方が多い。その傾向は、芸能人でも変わらない」「何かを強く訴えるような女性像が、あまり支持を集めない」というようなことが原因としてあるのでは、などの視点が紹介されていた。

 

最初に、ヒットチャートにもジェンダーギャップがある、という指摘を聞いたときに、「マジかよ、そんなはずないでしょ」と反射的に思ってしまう自分がいて、ちょっと引いたな。「音楽の曲が売れるか売れないかに性差別はないんじゃないの」「ショービジネスって、女性が活躍しやすいんじゃないの」と、そんなようなことを僕は無意識に思ってらしい。そのことに気づけただけでも面白かった。


雑な連想にすぎないんだけど。「お笑い」について考えると、男性優位がイメージしやすくなる気がする。「鋭い毒舌」「体を張った芸」「下ネタ」などを「女芸人」がやっていると、相当うまくやったとしても見てる側が居心地が悪く、笑うのが難しい、という話はよく聞く。


ならば、新しい角度やテーストの笑いなら「女芸人」でも不利にならないかもしれないけど、いったいどれだけの人が「新しい種類のお笑い」を求めているのかは疑問。過去のパターンを踏襲しているから笑える、みたい感覚が普通で、「新しい笑い」などあんまり求めていない人がほとんどなんじゃないか。とすれば、特に「女芸人」を嫌ってないつもりの人でも、「なんだかんだ言っても、今まで知ってるお笑いのパターンの繰り返しが好き」と思った時点で、実質的には「お笑いのジェンダーギャップ」を支持するムーブになってしまう、みたいなことはあるんじゃないか。


おそらく、「歌」の世界も似たようなところがあるんだろう、と想像した。男性アーティストの方が、「ウケる歌」のレンジが広そう(「強い僕」も「「弱い僕」も「賢い僕」も「愚かな僕」もアリになってる、というか)。


そんなことを考えながら、「将棋」のプロの世界に「女性棋士」が誕生してないことを思い出した。これもいろんな原因があるんだろうけど、ちょっと関係あるかもしれない。


将棋という競技自体に性差別はない。なさそうに思える。誰が駒を扱っても、与えられる駒の動きは同じ。そこに問われるのは実力だけであって、性別は関係ない、みたいなことは言えるかもしれない。だけどそれをもって「将棋界に性差別はない」とは言えないはず。


例えば、「既得権が守られてることが、ジェンダーギャップにつながってる」という指摘はできる気がする。将棋でプロになるのはかなり狭き門で(その狭き門にはドラマがあるからファンとしてはなかなか否定しにくいんだけど)、3段リーグの上位とC級2組の下位ではおそらく3段リーグ上位の方が強いはずなのに、3段リーグからC2に上がれる(=プロになれる)のは年間4人のみ。控えめに言って、新陳代謝が悪すぎるんじゃないか。


で、将棋界というのは男性が圧倒的に優位な世界なんであって、「既得権が守られる」というのは、「男性優位が温存される」というのと同義と言っていいって話なんじゃないか。例えば、3段リーグから、毎年14人の新4段が誕生する世界線なら、もうとっくに女性棋士は誕生してるだろう。


それと、世の中自体が無意識に期待するジェンダーロールに、「女性の将棋指し」がマッチしていなかった、というような話もあるのかもしれない。子どもを育てる時に、「負けず嫌い」「1つの物事にわき目も触れず集中する」「勝ち負けをはっきりつける」ということが(将棋が強くなるためには不可欠なことだろう)、男の子だと「男の子らしくていい」と推奨されるのに、女の子だと眉をひそめられる、みたいな価値観。どうかな。「そんな価値観は時代遅れ」なのか。「いやいや、案外根強く残ってる」なのか。(1人でも女性棋士がデビューしたら、「私だってプロを目指せる」と思う女の子とか、「うちの将棋部の女子部員がプロを目指したっていい」という顧問とかが増えると思うんだけど)

 

何を言いたいかというと、多くの人にとって自然な感情である「現状維持を受け入れること」自体が、そのまま「男性優位を支持する」に限りなくニアリーイコールになることって案外多いんだろうな、と気づいて、それを覚えておこう、と思った、という話。

 


HIPHOPはどうなんだ。ミソジニー、ホモフォビアを克服できるのか。「売れてなんぼ」の世界だから、聴いてる側の意識が変われば、案外簡単に変わるかもしれないし、そうでもないかもしれない。フィメールラッパーが提示する「強い女」「面白い女」に、いろんなバリエーションが増えるといいな、という結びはナイーブすぎるのかもしれないけど。


※聞いていたラジオ:MUSIC GARAGE:ROOM 101

MUSIC GARAGE:ROOM 101 | bayfm 78.0MHz ベイエフエム

 

※『女性たちの声は、ヒットチャートの外に ~音楽と生きる女性30名の“今”と“姿勢”を探るインタビュー集』というインタビュー本について、著者の平井莉生さんを招いて、番組ホストの渡辺志保さんが話を聞く、という回でした。

 

本のリンク↓

 

 

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