鯖缶@3rd&forever

2児(娘8歳、息子6歳)の父のエッセイブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターあるあるなど。

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クレームよりも「不機嫌」に傷つく(コールセンターで働いている話)

 

 

コールセンターで働いていて。やっぱりお客の心ない一言に僕自身傷ついたりもする。一番傷つくのは、「バカだと思われること」な気がする。そりゃあそうだ。僕はもう20年同じ会社で電話対応を続けてきてるんだから、それなのに「こいつバカだな」と思われるのはさすがに傷つく。

 

どういう時に「バカだ」と思われるかと言うとそれは単純で、電話をかけてきたお客が「すぐ答えをもらえて当たり前」と想定していた質問に答えられなかった時。もっとひどい時には、質問の意味すらうまく分からなかったりすることもある。


つまりはこういうことだ。お客は手元の「説明書」や「パンフレット」を見ていて、そこにコールセンターの電話番号が載っているので、そこに電話をかける。当然用件が解決されると想定している。だって、そのパンフレットに書いてある電話番号は1つなんだから、そこで答えがでないんなら他にどうしようもない、と思う。


でも、現実にはすぐ用件が解決されるとは限らない。コールセンターの受付は、「その会社のすべての商品、問い合わせ、意見を共通で受け付ける窓口」であることが多いからだ。「用件を聞き、わかるものから折り返し連絡させます」という答えが返ってくる。


デパートで例えてみる。デパートには、地下の食料品売り場から、化粧品、女性、男性の洋服やカバンや時計やハンカチや、北海道物産展や、とにかくあらゆるものが置いてある。それぞれの売り場には、その商品を取り扱ってる店員がいる。


じゃあ、1階の受付の人が、デパートで取り扱っている商品のすべてに精通しているかと言えば、それは(中にはそういう神店員もいるのかもしれないけど)無理なんじゃないだろうか? 多分、用件を簡単に聞いたら、各売場を案内するのが平均的な対応なんじゃないかと予想する(僕はデパートの受付の人と話したことが多分1回もないから知らないけど)。実際お客も、1階の受付で聞きたいことがすぐに解決しないでも、特に腹を立てたりはしないんじゃないか。


だけど、コールセンターの場合は違う。お客は、「地下1階から地上9階まですべての売り場の共通の窓口」に問い合わせているとはあまり考えない。目の前に見ているパンフレット、ホームページ、にコールセンターの電話番号が載っていることだけが目に見える事実で、他の99種類のパンフレットにも同じ電話番号が載っているとは想像しにくいからだ。


だから、お客は素直に「こんな簡単な質問にも答えられないの?」と思ってしまう。そして、そのうち何人かはそれを実際に声に出してしまう。言葉に出さなくても、「え? あ、そう」みたいなリアクションで、そう思ったことが伝わる。

 

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僕がどう対処しているか、について書き出してみる。

 

①そういうお客のリアクションは「普通のこと」ということを認める。

 

それはそうだ。お客の立場で考えれば、コールセンターに電話をかけなくちゃいけないことになっている時点で、「面倒なこと」だろう。思い通りに事態が進んでいないから、電話をかけている。即座に解決すると無意識に考えても無理はない。「普通のこと」にいちいち傷ついていられない。

 

②お客が不満に思ってるのは「会社のサービス」であって、「オペレーター個人」に対してではない。


僕は個人的に、社内のオペレーターの中で一番最高の業務知識を持つように気をつけてる。実際にトップかどうかは分からないけど、「まあまあ頑張ってる」と自分で思える程度には、分からなかったことは調べて、自分で理解し直すようにする。どういうことかというと、そうした方が実際にお客に怒られた時に精神的に楽なのだ。「会社が要求する水準以上の知識があるのに、それで満足してもらえないのならそれは僕の責任じゃない」と思いやすい。


新人はそう思えないような気もするけど、「僕のせいじゃない」と思える程度は努力したほうが自分が楽じゃない? ぐらいは思うし、「資料や研修が不十分で電話対応させてるのは会社なんだから、自分を責めないで」ぐらいのことは伝える。


③会社の「ゆるキャラ」の着ぐるみを想像して、その「中の人」を演じるつもりで電話応対をする


ゆるキャラの「中の人」として、キャラを演じる。それは多分電話対応も同じで、もしもお客に怒られたとしても、「キャラが野次られてる」と客観視して、キャラクターの演技としてふさわしい対応をやろうとする。


さて、①~③を書きながら思ったのは、「それでもやっぱり、傷つくんだよな」ということ。傷ついているからこそ、こんなに面倒なことをいろいろと考えてるわけであって、もとから何とも思わなければ、「ゆるキャラ」まで持ち出して自分を納得させたりはしない。


僕個人としては、「クレーム対応」の時は「演技スイッチ」が入りやすいけど、「常識人ぽい人がふと見せる不機嫌」は胸に染みる。バカと言われるのもなかなかにつらいけど、それよりもバカと思われて気を使われるのは格別につらい。常識的な、ごく普通の人がうまく隠してくれても、「使えない奴だって今絶対思われた」ということは分かるのだ。なぜ分かるかというと、そう思ってくる人には「バカだけど、謙虚で一生懸命な奴」を演じるとうまくいくので、「使えない奴と思われてるかどうか」のセンサーはオフにできないから。


冒頭のツイートでは、「デーモン小暮閣下」を例に出させてもらった。「所詮は俗世間のことでしょ? 誰が困ってようが、僕がバカだと思われようが、悪魔の視点から特にどうだっていいよね?」と、思いたい。はたしてそんなことできるんだろうか?


僕としては、「それができるからコールセンターのオペレーターを20年やってきた」とも思えるし、「でも、案外簡単じゃないし、50歳の時もそう思えるかというとあまり自信がないな」というのが正直なところだ。

 

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