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新人オペレーターに、最初に教える3つの敬語(クレーム対応に使える考え方⑦)

コールセンターの電話対応にとって、「正しい敬語」は重要か? これは難しい問題で。答えはイエスともノーとも言える。では、コールセンターは、新人教育で「敬語の指導」に時間を割けるか? これなら答えは簡単だ。「ほとんど割けないのが現状」ではないだろうか。その現状を踏まえて、「最優先に教えたい3つのセリフ」を紹介する。

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はじめに

ビジネスにおいて、「敬語」が重要なのは言うまでもない。「作法」というのは、「TPOをわきまえること」であり、「他人と正しい距離感で接すること」だろう。いまだに履歴書が手書きで求められるのには、たぶん相応の理由がある。「まともな字が書けるかどうか」に、「世間をちゃんと敬っているか」が現れるからだ。敬語も同じ。正しい敬語が話せるかどうかで、人は判断されてしまうこともある。敬語のミスで信頼を失ってはもったいない。

では、コールセンターの新人研修で、「敬語」を教えることが重要か、と考えると、それはそうとも言えない。研修のコスパとしての問題だ。敬語は、直そうと思っても簡単には直せない。商品知識や、端末の操作を覚えることでストレスをかかえた新人に、敬語をチェックすることでさらに負荷をかけるのはリスキーだし、敬語を正しく教えられるトレーナーもなかなか調達できない。それに、多少敬語が間違っていたとしても、「ハキハキと低姿勢な対応」ができていればなんとかなるし、そっちのほうが重要である。

そこで、最優先に教えたい3つのセリフを紹介する。

「恐れ入ります」

電話対応では、しっかりとした返事、相槌が重要だ。あいまいな返事しかできないオペレーターは、話が通じているかわからず客を不安にさせる。だが、電話応対の経験に乏しい若いスタッフだと、「かしこまりました」以外に、ビジネス感のある返事ができなかったりすることが多い。
だが、「かしこまりました」を連発すると、慇懃無礼な印象になってしまうことがある。なので、返事を「軽いお礼(わざわざありがとうございます)」か「軽い謝罪(ご面倒おかけします)」に寄せて、バリエーション豊かに話すようにしたい。

だけど、これが案外難しい。本来謝るべきところでお礼を言ってしまうと、客を苛立たせてしまう場面がある。

そこで、「恐れ入ります」だ。これは、クッション言葉にもなる。「恐れ入ります、まずお名前を教えていただけますか?」など。
また、「お礼」のニュアンスも出せるし、「謝罪」のニュアンスも出せるので、チグハグな対応になるリスクが非常に低い、万能な返事だ。新人には、まずこのセリフを覚えさせたい。

「いかがなさいましたか?」

敬語のミスで一番多いのは、「尊敬語と謙譲語の逆転」だろう。だけど、これを矯正するのは簡単ではない。僕の経験上、普段敬語を使い慣れていないスタッフに限って、「バレたらヤバい」という心理が働くのか、「過剰な敬語」を使ってしまう気がする。だから僕は、「尊敬語と謙譲語を正しく選択させること」は新人教育の場面では諦めている。記事冒頭でも触れたが、新人は他のことを覚えるのに精一杯。「迷ったら、シンプルな丁寧語を、丁寧に話したほうがうまくいきますよ」とだけアドバイスする。
ただ、「いかがなさいましたか?」だけは最初に覚えてもらうようにしている。客に用件を聞くときに、「いかが致しましたか?」と間違って謙譲語を使ってしまうスタッフが一定数いるからだ(たぶん、会社側からの対応を提案する「いかが致しましょうか?」からの誤用だろう)。電話冒頭で、用件を確認するときのセリフなので、ここで信頼されないと対応全体がうまくいかなくなる危険がある。「いかがなさいましたか?」だけは押さえておきたい。

「お世話になっております」

法人相手との会話の際に、必要なあいさつ。「ぽんぽこ商事の、担当田中と申します」などと言ってきたら、こちらは「お世話になっております。鯖缶にて承ります」などと返す。
新人の中には、「初めて会話する相手に、お世話になっておりますは不自然だし・・・」と、「お世話になっております」というセリフに抵抗感のあるスタッフが必ずいる。
実は、これは根が深い問題なのではないか、と僕は感じている。オペレーターは、会社の窓口として電話に出るわけであって、それぞれ個人とか個性とかは主張する必要がない。つまり、「オペレーター個人が初めて会話する相手かどうか」など、どうでもいいのだ。
「会社が取引のある相手に対し、会社の窓口同士として会話をする」わけなので、「お世話になっております」は不自然でもなんでもない。
新人オペレーターに、「あなた自身の人格として、電話対応する必要なんてないんですよ」と伝えるためにも、「お世話になっております」という呼吸を最初に教えておきたい。


まとめ

新人教育の際に、敬語を教えたり直したりするのは大変。なので、電話対応のコツが詰まった重要なセリフをピックアップして教えるといい。

「恐れ入ります」・・・お礼のニュアンスや謝罪のニュアンスでの相槌を身につける。
「いかがなさいましたか?」・・・電話冒頭の印象で、信頼を損なわないこと。
「お世話になっております」・・・個人の人格と、電話対応を切り分けて考える。

まずはこれだけ教えて、あとは新人が仕事に慣れたころに、敬語についてチェックし直せばいい。「仕事ができる」と自信がついた段階なら、「敬語の見直し」はうってつけの材料になるだろう。

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