鯖缶@3rd&forever

2児の父のエッセイブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターあるあるなど。

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「となりのトトロ」 カンタの人生のピークが早すぎた件

昨日の夜。子どもと、「となりのトトロ」のカルタで遊んだ。「ほ」は、「ほんとはやさしいてれやのかんた」。この札を見て、ふと思った。

少年カンタにとって、サツキに傘を差し出したあの瞬間が、人生のピークだったのでは?

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余計なお世話とはこのことだ。いくら架空のキャラクターとは言え、他人の人生のピークをとやかく言うものではない。何が起こるのかわからないのが人生だ。いつも何度でも夢を描けばいい。君をのせてまわればいい。

でも、これだけは断言できる。彼が人生で出会う女性のなかで、最高の女性はサツキ。これは間違いない。僕は、大人になったカンタを想像して、切ない気持ちになった。だって、あの時にカンタは、目の前にいるサツキが人生で最高の女性だとは、絶対に気づいていないだろう。

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僕は彼の人生に思いを馳せる。

あの、草壁一家がカンタの隣の家で過ごしたあの夏。夏が終わり、秋が来て、冬。照れ屋のカンタは、サツキとの距離を縮められない。田舎の生活に慣れたサツキとメイも、トラブルなく過ごす。トトロにも猫バスにももう会わないけど、大丈夫。「本当に困ったら、きっと誰かが助けてくれる。本当に助けてくれるかは本当はわからないんだけど、トトロと会ってから、大丈夫だと思えるようになった」そんな風に感じながら、キビキビと日々を過ごしている。するとやはり、サツキとメイの母は回復し無事に退院。一家は、春には父の研究室に通うのに便利な、都会の家へ戻っていく。

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時は過ぎ、カンタも大人になった。何度か恋愛も経験した。理系の大学を卒業し、メーカーに就職し4年後。仲のいい会社の先輩と飲みに行って、珍しく酔っ払ったカンタ。なんとか終電に乗り込み、最寄駅から歩いて15分のアパートまで歩く。帰りのコンビニで水と、次の日の朝食と、もう十分酔っ払ったのに、いつものクセで買ってしまった缶チューハイ2本。

家に帰って、買った缶チューハイ、一瞬開けようか迷ったんだけど、ちょっとだけ飲もうと「つい」思ったカンタ。でも、指先に力が入らなくて、缶のプルタブが開けられない。そんなことで舌打ちした自分に驚いて、ふっと涙が出そうになる。

飲み会で先輩に言われた言葉を思い出す。「お前、なんで理系選んだの?」なんだっけ。もう忘れたな。今の仕事、大学でやってたことと関係ないし。もう疲れたし。もう2年も彼女いないし。でも、なんでだっけ?

・・・・・・ん?

・・・思い出しそうな気がする・・・

あ。

小学生だったあの年だけ、隣に住んでた一家がいて、その家のお父さんが、研究者だったんだ。そのことを中学で思い出して、なんか理系がいいなって。

あ。

あの子。草壁サツキ。・・・好きだったな。
幼すぎて、全然自分でもよくわかってなかったけど、すごく・・・好きだったな。

理系を選んで、東京に出たら、ひょっとしたら会えるかも、って、進路考えるときほんのちょっとだけ頭に浮かんで、それで・・・

ん? 本当かな?

本当に、草壁サツキなんて女の子、いたのかな? 死んだばあちゃんが言ってた、妖怪? みたいな感じで、ただ、いたような気がするだけかな?

最近ログインしてないフェイスブックで、検索してみようかな。

・・・と。待て待て待て。
検索してどうするよ。

見つかっても、見つからなくても、結婚してても、結婚してなくても、なんか、知りたくないじゃんよ。だめよ、こういうことは、検索しちゃ。

もう寝よ。チューハイは要らないや。

シャワーは朝浴びることにして、歯磨きだけ済ませようと立ち上がったカンタ。思いついてアパートの部屋の明かりを消してみる。窓の外から明かりが差し込む。

満月だと気づく。差し込む明かりで察することができる。窓から実際に見上げなくても、それが満月とわかる。(あの音楽が鳴る)

サツキの顔、思い出そうとして、妹のメイの顔ばかり思い出す。そうか、やっぱりあの姉妹はいたな。ウソみたいな女の子だったけど。ウソじゃなかったわ・・・

・・・・・・

みたいな、カンタの人生の走馬灯を勝手に妄想して、コンマ数秒しんみりしました。「となりのトトロかるた」、あなどれません。

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となりのトトロ かるた

 (※かるたは、娘(7歳)が息子(5歳)に圧勝して、ズルいからもう1回、みたいなことになって、でも娘は勝ち逃げしようとしてケンカになって、僕が子ども2人を叱りつけて後味悪く終わる、というまるでトトロっぽさのない我が家の夜でした)

(※草壁一家が、「割と短期間であの家を離れるんだろうな」というのが僕が作品を見たときの印象でしたが、どうでしょうか? そんな印象は僕だけかもしれません)

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