鯖缶@3rd&forever

2児の父のエッセイブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターあるあるなど。

スポンサーリンク

【日記】マンガばかり読んでるうちに年を取る㉑(娘の感想文と僕の小規模な失敗)

2023年5月某日 娘の感想文と僕の小規模な失敗

娘が読書感想文(教科書の短編小説)を書くのにまごついていて、それを妻がもどかしく思ってる、みたいな場面があって。妻は、子どもの勉強にあれこれ口うるさく言う方ではないんだけど、「作文」には厳しいのが面白い。子どもの作文のよくあるフォーマット「○○しました。楽しかったです」みたいなのを見ると、「内容が薄っぺらい」と言うのだ。(まあ、確かに薄っぺらいんだけど、子どもの作文を評する言葉としてはいささかストロングよな。僕まで一緒に作文に口を出しては、子どもたちもウンザリだろうから、僕は傍観することが多いんだけど)


たぶん、娘がまごついてるのは、「感想文には、正解があるはずなんだけど、自分はまだ正解を習ってないから書けない」というような気持ちなんじゃないか。これは、なかなか由々しき問題かもしれない。自分で考えるのではなくて、答えを教えてもらうのを待つのが習慣になってしまっている(皮肉なことに、それは得意で成績はいいのだ)。なんというか、僕も心配になってきてしまった。


だけど、「正解なんて決まってないから、感じたことを自由に書きなさい」というのは、子どもに与えるにはちょっと雑な命題なんじゃないか、とも思う。だって、「正解がない」「自由に」とか言われても、「読めと言われたから読んだのであって、別に感想ないんだけど…」という話じゃないか。しかもズルいのは、教える側は、実は「正解」らしきものをいくつか決めていて、それに合致しない感想は「ちょっともう1回考えてみて」とか言うんである。子どもとしては、「めんどいな。正解があるなら先に言ってくれよ」とか、.1思っても当然じゃないか、と。


僕は娘に「一番好きなセリフか、一番好きな場面を選ぶ」「それが好きな理由を説明する」と、ヒントを出した。娘はとりあえずとっかかりができたようで、書き始めたようだ。


書き終わった感想文は僕は読んでなくて、でもちょっと迷ってる。娘としては、ああだこうだ言われたくないから見せないし、僕もああだこうだ言いたくないから見ないんだけど、ひょっとしたら子どものヤル気を削がないようにアドバイスができるかもしれなくて。それができるなら、「見せなさい」みたいに言ってもいいのかも。


書き終わった感想文は読ませてもらってないんだけど、「天気雨のシーンが好き」って教えてくれた。それで、僕は失敗してしまうのだ。もうちょっと反応を待って、娘に、自分の言葉で説明してもらえばよかったのに、即座に食いついてしまった。「それよ、それ。天気雨のシーンがポイントだよね。物語はさ、登場人物の心の移り変わりを読者に伝えるんだけど、どんなにうまく伝えても、読者は読むのがめんどくさいと人物のことを好きにならないよね。でもさ、空の様子とかで伝えると、詳しく説明してないのに、感情が伝わりやすいんよ。うれしさと恥ずかしさが混ざった気持ち、突然心が変わる意外性とか、天気雨の情景に合ってるじゃんね」とかなんとか意気揚々と話して。俺はアホか。それを子どもに言わせないと意味ないじゃないか。


修行が足りない。子どもにクイズを出されて、答えが分かっても、すぐ言っちゃうのはもったいないんよ。「いや、分かんないからヒントくれない?」でしょ。ヒントを考えるのって、めっちゃ難しいからね。そういう頭の使い方を子どもにはしてほしいじゃん。クイズはさ、どうせテレビとかで仕入れた問題なんだから。そんなに「パパ、答え知ってるよ」って言いたいか、っていう話じゃないですか。トホホ。


5月某日 家族でバイキングに行った話

ゴールデンウィークだけど僕は仕事。「24時間、365日」がコールセンターのウリ(企業がコールセンター業務を子会社化して外注するメリットの1つ)なので、コールセンターはゴールデンウィークもお盆も年末年始も稼働してるわけで。祝日でもスタッフを確保しようと、ちょっと時給も上がったりする。


僕は、もう20年以上もゴールデンウィークも年末年始も働いてる。20代の頃、演劇の公演やら自主映画の撮影やらでバイトを好き放題休んでたのにクビにもならずに続けられたのは、ゴールデンウィークや年末年始に働くことで、その穴埋めをしてきたからなわけであって。


まあでも、子どもがいてもそれを続けてるのはどうなんだ、と思わなくもない。「連休らしさ」は、いわば季節感みたいなもので、バカにしたらダメなんじゃないか、今は普段からちゃんと出勤してるんだから、子どもの学校休みに合わせて、僕も有給を使った方がいいんじゃないか、とか。


そう思いながらも、結局休まずに働いた。子どもたちも、「どこかに出かけるよりは家でのんびり」が希望なんである。そして、助かることに妹夫婦が家族で遊びに来てくれるんである。男の子が2人いる。うちの子どもから見ると「いとこ」で、うちの子らは、いとこたちと遊ぶのを毎回非常に楽しみにしているんである。「ちょっと年上のお兄さん」、うれしいよね。だいたいスマブラかマリオカートをやってるだけなんだけど。


僕が会社から戻ってくると、「いとこ」たちが子どもの相手をしてくれてるわけであって、なかなかありがたい。妹夫婦と両親は、テレビをなんとなく見ていて。テレビに映っているのは、高速道路の渋滞だ。「連休になると、絶対に渋滞の野次馬するよね」「まあ、だって今家にいる人たちが一番見たい映像でしょ」みたいな会話。この連休中に、子どもをどこかに連れて行くことをサボってる僕(のような人たち)にとっては、渋滞を見ると「やっぱり家がよかった」と思うのでうれしいんである。でも、ひょっとしたら今出かけてる人だって、渋滞のニュースは見たいのかもしれない。「こんなに苦労したけど出かけたんだぜ」みたいなテンションの上がり方だってある。


続いて、大型商業施設にもめちゃくちゃ長い行列ができてる様子がテレビに映って。そこで妹が、「ちょっと待って。私明日ここに行くんだけど」と。今まで対岸の火事だと思ってたのに、自分も同じ苦労を味わう側だったかと気づかされた流れが面白かったな。「こんなに混んでるなら行きたくないけど同人誌は買いたい」みたいなことをブツブツと言ってました。


夜は、両親と、僕ら家族と、妹たち家族でバイキングへ。うちの子ども、小学校高学年で大人とおんなじぐらい食べるのに半額なので、「得してる」と内心盛り上がったけど、よくよく考えれば両親がもうそんなに食べられないんだから、帳消しかもしれない。お祝いの食事ということで(食事代は両親が出したんだけど)、妹と相談してご祝儀を奮発したりした。新札をちゃんと用意して、ご祝儀袋に入れれば、現金だってなんか縁起がいい感じがしたな。

思った以上に喜んでくれて、それはなんというか、申し訳なかった(普段親孝行をサボりすぎてることを思い出して)。

 

5月某日 じんわりと勇気が湧いてくる

読んだマンガ。

「東京都北区赤羽」(清野とおる)…4~6巻。エッセイマンガだから、当然続くとテンションは落ちてくるんだけど、ある種のマンネリが出てきた方が面白い部分もあるのかも。「マンガ家として売れてない」みたいな悲壮感が薄まってきて、そこは残念(でも、無理に悲壮感を続けるのもサムいと思うので、ある意味仕方ないのかも)。

 

「達人伝 ~9万里を風に乗り~ 」(王欣太 )…1~9巻。たぶん3年ぐらい前にも読んだんだけど、また1巻から改めて。「スケールの大きさ」がいいよな。ストーリーテリングがちょっと隙がある(読んでいて、話の本筋がどこにあるのか分からなくなることが時々ある)ような気もするんだけど、それも含めて、スケールのデカさを感じていいんじゃないか。

 

最近聞いてるラジオ。

「SAYONARAシティーボーイズ」。これは30分番組で、週1回。シティーボーイズが「ひょっとしたら最後の番組かも」の意味で「SAYONARA」ということらしい。冒頭でラジオコントをやって、その後トーク。3人がそれぞれ日記を読んで、その内容にツッコんだりする。


これがですね、非常に面白いんである。面白いというか、じんわりと勇気が湧いてくる、というか。面白い。最近、なかなかラジオを聴く気になれずにいたけど(味は好きだけど胃が受け付けない、みたいな心境)、この番組は聴ける。なんというか、「粋」なんだよな(粋な人たちのことを「粋だな」と評するのは野暮だろうけど)。無理にウケようとせず、かといって枯れた感じを出そうとしてカッコつけてるわけでもなく。


20歳のリスナーから、「若いうちにした方がいいことは何か、アドバイスを下さい」というメールに、「セックスはした方がいい」と答えて、それってボケでもあり、マジでもあり、そのどちらでもない、というか。それで、「難しい本を読んだ方がいい」「でも、俺たちにそんなこと聞かない方がいい」「そんなんじゃ誰もメールくれなくなるよ」みたいなしゃべりをするんだけど。


これってすごくないか。若い人が、「説教してください」って言ってくれてたら、もうね、説教や自分語りを我慢できないよ。普通の老人だったら。それなのに、「特に言えることはない」って言っちゃうのな。肩の力の抜け具合がカッコよすぎる。で、肩の力が抜けてたら面白いのかというとそういうことはなくて、日々の生活へのまなざしに、不条理コントの作法がしみついている。面白いものを見つけようとする観察眼に手抜きはなくて(だって、それはもう身についちゃってるわけだから、肩の力が抜けていても手抜きはないわけであって)。


カッコいい老人たちが、楽しくしているのを聞くと、なんて勇気が湧いてくるんⅮなろう、と思う。憧れちゃうな。

 

(続きはこちらです↓)

www.savacan3rd.com

 

 

(1つ前の日記はこちらです↓)

www.savacan3rd.com

 

スポンサーリンク