鯖缶@3rd&forever

2児の父のエッセイブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターあるあるなど。

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【日記】47歳からのHIPHOP入門⑦(さらばピロリ菌)

2023年12月某日 さらばピロリ菌

10月にピロリ菌を除菌する薬を1週間飲んで、本当にヤツらがいなくなってくれたかを確認する検査を受けてきた。ちょっとドキドキしたけど、無事に陰性を確認できました。そもそも自覚症状ないので、胃にピロリ菌がいなくなっても自分では分かりようがないんですけど。そう思うと、健康に関することって詐欺になりそうだな、と改めて連想したな。「ボケ防止に7割以上の効果」みたいな錠剤があったら、買ってしまいそう。「いつかボケるかも」って誰だって怖いし、その効果は自分ではよく分からないから、むしろ「飲んだからなんとなく安心」みたいなことで満足しそう。

 

まあ、それはそれとして。検査結果の書類をもらって、除菌は成功したと医師から言われたのだから、ひとまずは喜びたい。

 

12月某日 ピロリ退治に至るまでの振り返り

会社で、年齢の近いTさんに、ピロリの退治自慢をした流れで、「一番安いのでいいから、がん保険入った方がいいですよ」とついつい余計なお世話を言ってしまった。

 

ちょっと前の年末調整の申請の時に(年に一度でみんな入力方法を忘れてて、やり方を教え合いながらやるので)、Tさんが保険に入ってないと言ってたのが聞こえて、気になってたんだ。「がん保険に入ってないと、ただでさえ面倒で不安な胃カメラとかを、受けたくない心理にバフがかかっちゃうんすよ」みたいなことを言って。

 

どういうことか。たぶん7年以上前に話はさかのぼる。健康診断の後に「ピロリ菌いるかもしれないから検査してもいいかも」というようなことを言われた。そうか、なら検査してもいいかな、と思ってはいたんだけど、そこから僕は、実際に検査を受けるまでに7年以上を費やしたんである。

 

職場で指定された年一度の健康診断の度に、オプションで数千円払えばピロリ菌に関係する血液検査が受けられることにはなんとなく気づいてたんだけど、つい見て見ぬフリをしてしまう。数千円が惜しいんのとは少し違う。「自分の健康について心配することが面倒で、そこから逃げたいので、検査を足したくない」という心理に、「それに、お金もかかるし」みたいに、「言い訳」的に機能してしまって。それに、血液検査の次にやる胃カメラが怖い。胃カメラを怖がってる自分を認めたくない心理も手伝って、僕の中で「ピロリ菌いるかも」というトピックは放置されていた。


さて、「がん保険」についての話。僕は、45歳になるまで、医療保険に加入することをサボってた。毎年年末調整の時期になると「よく分からんが、この、控除というものを僕も申請してみたい。来年こそ保険を契約しよう」と10年ぐらい前から思ってたんだけど、そのまま何もせず1年が過ぎる、みたいなことを繰り返してた。お得意の先延ばしグセの常時発動はもう自分の一部として受け入れるしかないけど、それにしても、まさか10年かかるとは。


思えば、そんな自分を情けなく、恥ずかしく思って、自分を「だらしないダメなやつ」と責める気持ちがあった。それで、街の代理店みたいなところで相談するのに、ハードルが高かったんだ。「もう大人なのに、保険入ってないんですね」とバカにされるんじゃないかという被害妄想が1ミリでも湧いたら、それは増殖する。「自分がバカにされるのが怖くて、恥ずかしくて手続きを躊躇してたんですね」とバカにされるんじゃないか、とかの無限ループ。


そんな悶々を時々思い出しては、冷蔵庫の奥にしまい直すのを繰り返したんだけど。そして、だいたい5年前ぐらいに気づいたことがある。「胃カメラを飲むのが心理的に怖い」というのに加えて、「どうせ検査を受けるのであれば、その前にがん保険に入ってからにしよう。がん保険に入ろうか迷ってるうちに、もしもがんが見つかったら、あまりにも悔しすぎて耐えられそうにない」みたいな発想が自分の中にあって、それが検査を先延ばしにする心理を後押ししてるじゃないか、と。アホか。もしそんなことが理由で病気の発見が遅れたとしたら、そっちのほうがよっぽど後悔するじゃないすか。いくら何でも冷静な判断ができてなさすぎる。

 

(※ピロリ菌とがん細胞とはまったく別の話で、ちょっと発想がズレてるんですけど。さすがに僕も「腫瘍があり、悪性の可能性があります」などと言われたらすぐに検査したでしょう)


なんとも恐ろしい愚かさである。そこから、実際に保険加入の手続きをしたのは3年後。胃カメラの検査を受けたのは5年度、という。そういうセミなのかよ。そんな僕が、同僚に偉そうに説教かよ。「検査なんてただでさえ面倒で、根拠なく怖いものだから、冷静な判断しにくくないですか? 保険加入してないと、検査受けたくない心理が倍増しちゃうんで、それを避けるためにも、一番安いやつでいいから、入った方がいいんですよ」とかなんとか。

 

何なんだこの長い日記は。20代の頃は、自分の健康なんて気にしないのがHIPHOPだと思っちゃうじゃないですか。そりゃあしょうがない。でも、40代50代になったら、自分の健康に最善を尽くすのがHIPHOPでしょ、と思い始めたっていう話なんだと思うけど。いずれにせよ、健康だったり、最低限の生活の余裕があった上でのウジウジなわけであって、その幸運を抱きしめて寝てろよ、と。誰かに説教するような話じゃないわな。ああ恥ずかしい。

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