鯖缶@3rd&forever

2児の父のエッセイブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターあるあるなど。

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【日記】マンガばかり読んでるうちに日が暮れる(011)

2021年5月28日(金)「雄飛」がマジで面白かった

ここ数日読んでいた「雄飛」(小山ゆう)を昨日読み終えた。

 

  (↑Amazonのリンクです)


特に誰かに勧められたわけでもなく、ネットで評判を目にしたわけでもなく、ツタヤの棚でなんとなく手に取って偶然読み始めたんだけど、「当たり」だった。ものすごく面白かった。


(超ベテランの小山ゆうの作品で“当たり”というのも違う気がするけど。ところで、単行本の次巻予告とかで“巨匠小山ゆう”っていうフレーズをしつこく見かけたけど、巨匠なんですかね。逆にちょっとバカにしてる感出てません? そうでもないか)


僕が若い頃に「あずみ」が流行って、僕も読んでハマったんだけど、途中で物語の着地点が見えなくなって面白さがかなり減速して離れてしまった(ひょっとしたら、その後面白くなってるのかもしれない。それはそれでありそう)。で、「雄飛」を前情報なしで手に取って読み始めて、ふと気づいて驚いたことがある。この作品、「あずみ」より後に描かれたのかよ、マジか、と。


だって(決して悪い意味でなく)「古い」んだ。「絵」も「人物造形」も「時代背景」も古い。それを言ったら「あずみ」の方が古いんだけど、時代劇だから逆に「そういうもの」として気にならない。でも、「現代劇」の時代設定が「戦後」だと、「古い」と感じるよね、という。「はだしのゲン」みたいな感じの絵で、それだけでなんかトラウマを刺激される感触がある(「はだしのゲン」ももう覚えてないから、よく比べてみたら全然違うのかもしれないんだけど)。


「ヤクザ」「ボクシング」「復讐」「いじめ」「貧乏」「殺し屋」みたいな、かなりこってりした内容なんだけど、この作品の魅力は、「演出が意外とあっさり味」なところにあるのではないか。「もともとの素材の味が濃いので、小細工せずに料理するんだよ」という潔さがかっこいい。


変に大げさにタメたりコマ割りに強弱をつけたり、セリフや心理描写をクドクドと続けたりせず、どんどん話の筋を進めていく。流行のリズム、みたいなものがおそらくマンガにもあって、作り手も読者もその流行のリズムに(無意識に)寄せられてしまうものだと思うんだけど、「面白いマンガのテンポって、いろいろあるのか」みたいなことを実感できる。


そして、絵がいい。主人公もヒロインも美男美女なんだけど、脇役には「ブサイク」「陰気」「アホ顔」がたくさんいて、その表現がものすごくバリエーション豊かなんだ。感情表現も、「目」の演技よりも「口」の演技で見せてる感じがあって、それが新鮮。


最初に、「古い」って感想を書いたんだけど、それは全然ディスるつもりじゃなくて、「流行と無関係すぎてむしろ新しい」という。


(いやあ、「雄飛」の面白さが全然伝えられなくてウケる。「あずみ」、また読もうかな。ちょっとめんどくさいけど)


5月29日(土)もっといろんなマンガを読もう、と思った話

なんのきっかけもなく選んだ「雄飛」が面白かったので、なるべくランダムにマンガを選んでみようか、と思っている。コミックレンタルでマンガを読んでるんだけど、ツタヤの棚にある時点で、ある程度のヒット作であることは間違いないはず。何を選んでもそんなに外れないだろうし、「ハズレ」と思ったら1巻で読むのをやめればいい。


面白いマンガって、だいたい第1話や第1巻から面白い。「最初の3巻までは面白くなかったけど、それ以降がすごく面白くなる」っていうマンガ、あるのかな。まあ探せばあるんだろうけど。


ところで、僕は自分でも演劇を作っていた人間なので、「作品鑑賞を途中でやめる」のはなんとなく抵抗がある。例えば、「120分の映画」を配信やDVDで見る時に、「120分ぶっ続けで途中で中断せずに見るべきでしょ。だって、作り手はその前提で作ってるんだから、そうしないと失礼でしょ」みたいなことを思っていた。(スポーツ観戦でも、「最初から最後まで見る」という強迫観念はまあまああった)


今では、この「ちゃんと最後まで見なければ失礼なんじゃ?」とかいう思いは、「そうも言ってられないじゃん」になってるんだけど。


映像翻訳のスクールに通ってる時に、「邦画を英語字幕を出して見る」っていうのをやってた。今はどうかわからないけど、当時(7年前ぐらい)のレンタルDVDでは、「まあまあまともな」英語字幕が付いている作品ってあんまり多くなくて(そもそも英語字幕があるのが3割弱ぐらいだった気がする)、でも「男はつらいよ」は結構いい英語字幕が付いていた。それで、毎朝通勤前に寅さんを見てた。スクールの課題もあるから、「最初から最後まで」は見る時間はない。だいたい半分ぐらいで区切って見る。


それで、ようやく「作品を区切って見る」とか、「早送りで見る」ことに抵抗がなくなった。逆に言うと、30代になって、「子育てをしつつ翻訳のプロを目指す」みたいに切羽詰ってようやく「俺は勉強として映画を見てるわけであって、途中でやめるのは失礼、とかそんなことは構ってられる余裕はない」となったわけだ。20代の演劇少年、映画監督志望の頃の僕は、随分と余裕だったな、とかも思う。お前、時間に余裕ある時しか映画見ないのかよ、と。


でも、今でも「映画はスキマ時間にちょっとずつ見る」とか「1.5倍速で見る」とかを自慢げに言うのはちょっと抵抗あるかもしらん。「抵抗がある」とか言って、贅沢な話だ。


何の話かっていうと、小山ゆうの「雄飛」を読んで、いろんな種類の面白さがきっとあるな、と思ったから、普段あんまり手に取らないマンガも意識して読んでみようか、という話。で、まだちょっと抵抗あるんだけど、1巻読んで、あるいは1話読んで面白くなかったら次にいけばいいじゃん、と。


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