鯖缶@3rd&forever

2児の父のエッセイブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターあるあるなど。

スポンサーリンク

【マンガレビュー】「ACMA:GAME」のクセのなさが逆にイケてる件

「ACMA:GAME」(原作:メーブ/作画:恵広史)を読んだ(たぶん8年ぶり3回目、ぐらい)。以前読んだ時と同じ感想だけどメモしておく。


このマンガ、「デスゲームもの」「オリジナルルールのギャンブルもの」の中では、影が薄いというか、目立たない存在じゃないですか。なんというか、毒気がないというか。


「カイジ」のパンチ力のあるセリフ回し。「GANTZ」のめまいがするような世界観。「LIAR GAME」のクセになるキャラづくり、「噓喰い」の重厚な圧の強さ。そういった、歴代のマンガにあるような「中毒性のコア」みたいなものが、「ACMA:GAME」にはない。全22巻、スルスルっと、「後味よく」読めてしまう感じ。


そう思うと、タイトルの「アクマゲーム」も、ちょっと安易というか、味気ない感じがよく表れてるような気がする。デスゲームものでは、主人公たちが「命」を含んだデカすぎるリスクを負わされてギャンブルやゲームをやるんだけど、そのゲームを成立させる設定に、その作品の個性が出てくるもの。それが、「アクマ」て。このマンガのアクマは、超常的な力でゲームマスターを務めるだけで、それ以上は主張してこない、都合よく薄味のキャラなんである。(例えば、「DEATHNOTE」に出てくる死神リュークなどに比べると、かなり影が薄い)


(Amazonのリンクです↑)

 


さて、「ACMA:GAME」がつまらないと言いたくてディスってるわけじゃなくて、「確かにキャラや中毒性は薄いかもしれないけど、それはそれとして、ちゃんと面白いじゃないですか」というのが僕の感想だったりする。むしろ、この「個性の薄さ」こそがこの作品の個性なんじゃないか。


作中で出てくるゲームのクオリティがいちいち高いのに、対決を引き延ばさない気前の良さがある。全22巻で、15種類の「アクマゲーム」が行われる(清司と剣征の石売り対決、選挙演説を数えれば17の対決)。なんという決着の早さ。さっさと次のゲームが読めるわけで、かなりのサービス精神でしょ。


対決も、「どちらが勝ってもおかしくない」内容のものばかりで、これもフェアすぎる。「負けた時のリスクにビビるかどうかのメンタル勝負」「必勝法に気づくかどうか」「イカサマを見破って逆用できるかどうか」みたいな対決ではないのが逆にスゴい。ゲームとしての完成度が高くて、「同じルールでもう一度やったとしても、ゲームとして楽しめる」みたいなものばかり。


そう思うと、「公平な審判と、プレーヤー同士の直接暴力の禁止」ができるので「アクマ」の存在が都合がいいんだろう。「ルール内で勝たないといけない」という潔さがある。特殊能力も作中に登場するけど、徐々に影を潜めていく。トーナメントの決勝でも、最終決戦でも、「悪魔の能力」は(ブラフや守備的な使われ方はするものの)ほとんど勝負に影響を与えない。あくまでもゲームでの「知恵比べ」「地頭勝負」が見どころ、というのが一貫してるように思う。


そんなわけで、久しぶりに読んでみて、(以前読んでたのに)細かい内容をほとんど覚えてなくて新鮮にサクサク楽しめた。「クセになる味の濃いマンガ」はもちろん面白いけど、アクの薄いマンガが必ずつまらないわけではない。このマンガのクセのなさは、読みやすさを保証するプロの演出でしょ、と称賛したい。また忘れたころに読み直すつもり。きっとまた面白いだろうな。

 

(よろしければこちらもどうぞ↓)

www.savacan3rd.com

www.savacan3rd.com

www.savacan3rd.com

www.savacan3rd.com

www.savacan3rd.com

 

スポンサーリンク