鯖缶@3rd&forever

2児の父のエッセイブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターあるあるなど。

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エレベーターの「開」ボタンを、僕は押さない

 

上にあげたエレベーターの話は、僕が日常的に遭遇して、いつも思うこと。自分の心の狭さが、「かなりヤバいレベルなんじゃないか」と思うほど、毎回気になってしまう。


会社のエレベーターは定員16人とかの大きなもので、出入口も大きいので、「譲り合わなくても2人は余裕で降りられる」広さのもの。だから、中に乗ってる人数が6人程度で、高齢者や子どもなどがいなければ、「開ボタンを押して最後に降りる係」がいなくても、十分全員が降りられるはずなのだ。


なのに、「どうぞどうぞ」と譲り合ってやがる。その、「接待ゴルフごっこ」をやってる間にも、次に乗ろうと思って待ってる側の時間は過ぎていってるんだよ、と。(書いていて、自分の心の狭さに呆れています)ほんの2秒も変わらないことで、ここまで腹を立てることもないんだけど、自分の思いをもうちょっと詳しく書いてみる。要するに、「マナーを守っていいことしてる」っていうつもりになってるだろうことが気に食わないのだ。


元から「何も考えず、他人には配慮しない」という人なら諦めもつく。でも、「配慮しよう」という気持ちが仲間うちで完結して、「配慮できる人間だね」と自分でも安心したところで思考が止まってしまっているのはもどかしい。

 

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コールセンターで電話対応をしていて、僕の電話対応を褒めてくれるお客さんが時々いる。だけど、多くの場合、僕は「ウゼえ!」と心では思っている。


やり取りの中で、返事というか、相づちとして「ありがとう」と言ってもらえるのはうれしいし、客の立場で、オペレーターに丁寧な話し方や態度で話せる人は尊敬に値すると思う。ここで僕が「ウゼえ!」と言ってるのは、オペレーターである僕のリアクションを求めて、わざわざ一言付け加えて褒めてくる人のこと。


「お兄さんね、さすが、気持ちのいい話し方でしたね、どうも、ありがとう」と言われたとき、僕はどう答えるか。結構難しいのだ。


「そう言っていただけると励みになります」などが模範解答ではあるんだけど、僕はこれはちょっと違うと思っている。「励みになります」は、客の褒め言葉をそのまま受け止めていて、「自分でもイケてると思ってる」と、客の「褒め」を自ら認めていることになっていて、やや謙虚さが足りない。


「いえ、恐れ入ります」が僕の考えた受け答え。「いえ」は、「そんな褒められるようなことはしていません。でも、褒めていただいたので、それを否定するようなことは言えません」のニュアンスを込めての「いえ」であり、「恐れ入ります」は、お礼のニュアンス40%、「そんな気遣いをさせてしまってすみません」の謝罪60%の意味。そして、全体としては褒められてうれしい、というテンションを隠せない感じで、「いえ、恐れ入ります」と言う。


我ながら、面倒なやつだ、と思う。でも、20年電話応対を続けているとこうなる。「お客さんの望む態度、声色、言葉遣い」で返すのが、結局一番楽だから(毎度うまくできるわけじゃないし、ある程度のズレはしょうがないとは思ってるけど)。


ここで、「わざわざ褒めてくる人」は、無意識のうちに「褒めてあげよう」と、オペレーターを下に見ているので、言われた側も「下手」に出てそれを受け取らなくちゃいけない。もしオペレーター側が、「あ、ありがとうございます!」と軽く答えたら、「生意気な態度」と思って、気分を害すのが容易に見えている。それで「ウゼえ!」と僕は感じてしまうのだ。


ユーモラスに書くつもりが、僕の被害妄想的な思い込みをそのまま出してしまった。イヤなことがあっても、「即スルー、即忘却」ができるように精進していきたい。

 

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