鯖缶@3rd&forever

2児の父の雑記ブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターネタ(クレーム対応)などが中心です。

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「己の欲せざるところ、人に施すことなかれ」の傲慢

「昼休みにひとりぼっちだとかわいそうだから、ランチに誘って仲間に入れてあげよう」「この曲すごく感動するから、着うたにしてみんなに聴かせてあげよう」「このギャグがわからないと番組を見ても楽しくないだろうから、ちゃんとテロップをいれよう」
これらは、「余計なお世話」の例として、僕が今思いついた例である。たぶん、他にもいくらでも挙げられるだろう。要するに、「善意」が空回りすると、迷惑になるということ。

 

哲学者の土屋賢二さんのエッセイで、「己の欲せざるところ、人に施すことなかれ」は、哲学的に見てナンセンス、との主旨の指摘(読んだのはたぶん10年以上前です。細かくは違うかもしれません。毎度うろ覚えですみません)を読んだとき、僕は、目からウロコが落ちた。ずっと気になって、でもうまく言えなかったことがそこに書いてあった。

 

「自分とは望んでいることが違う。望んでることがわからない」から「他人」なのであって、「自分のして欲しくないこと(またはして欲しいこと)」を基準にして、それを他人への対応の基準にするなんて、「正気の沙汰ではない」というようなことが書かれていたと記憶している。

 (土屋賢二さんの著書↓※すみません。どの本に収録させているのか思い出せません。でも、氏のエッセイはだいたい一緒どれも面白いので!)

ツチヤの口車 (文春文庫)

ツチヤの口車 (文春文庫)

 

 

僕の仕事の、コールセンターでの電話対応での「あるある」なのだが、少し世の中に訴えたいことがある。

電話対応をするオペレーターは、ヘッドセットをつけて、PC端末の前に座って、電話対応をその場で入力する準備をして、お客様の電話に出る。これは、どんな業種のコールセンターでも、だいたい一緒だと想像する。

 

(ここから先は、僕の実体験をもとに、細かい部分は創作した一例です。会社の業務内容は外に出せないので、「あるある」としてご理解ください)

 

例えばあるコールセンターでは、電話がつながった瞬間に、PCの入力画面において、「お客様の名前」を入力するボックスにカーソルが置かれているとする。「名前」を聞いたあと、Tabキーを押すと、「電話番号」を入力する欄にカーソルが移る、というような入力システムを準備して、電話応対をしている。

なのでこのコールセンターでは、「あいさつ」「用件の確認」が済むと、オペレーターはまず、電話をしてきた人の名前を聞くことになっている。その際、1割ぐらいの客は名前を答えずにこう言う。

「あ、顧客番号が分かるので言いましょうか?」と。

これが、案外困るのだ。

 

電話がつながった時点では「名前」にカーソルが合っているので、オペレーターのリズムが崩れる。そして、顧客情報の検索前に、「名前」「電話番号」の欄を埋めないと、顧客情報の検索ができない仕様になっているので、結局名前を聞きなおす必要がある。

ここまでは別にどうでもいいとして、僕が訴えたいのは、「名前を聞いたのに、名前を教えてくれなかった人」は、言外に「顧客番号を伝えれば、名前は言わなくてもわかるよね?」ということを予想、期待しており、名前を聞きなおすと機嫌を損ねる場合があるということだ。「顧客番号言いましたよね?登録してあるはずですけど」というような話の展開になったりする。

 

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さて、実際にそういうような場面になったとき、ベテランオペレーターは、どうするか。
「顧客番号ですね?大変助かります」と返事をする。その際に「名前」と「電話番号」はダミー用のものを入力しており、カーソルは顧客番号に移動させている。それで滞りなく検索を済ませて、ヒットした画面を見る。
このとき、顧客情報をベテランオペレーターはすでにチェックしているのだが、確認できたことを客には伝えない。個人情報の取り扱い上、まず本人確認をすることが業務マニュアルで決まっているからだ。そこで、実際には既に確認できているのに、そのことを隠して、「すぐ確認いたします」と言う。すると客は「先に顧客番号を伝えてよかった」と安心するので(実際には、オペレーターの誘導どおり会話を進めたほうが、対応は早いのだが、そんなことは知らない客はなんとなく満足する)、もうあまり機嫌を損ねることはなくなる。
そのタイミングで、「念のため、お名前と電話番号を教えていただけますか?」と確認し、カーソルを戻して名前と電話番号を入力するのだ。

 

さて、「入力システムがどんな順番での情報確認を想定しているのか」「個人情報の確認や開示に、どんなガイドラインで業務マニュアルを設定しているのか」は、電話をかけてくる客の知るところではないし、客がどんな順番で話をしようと、給料を貰ってる側である電話のオペレーターが合わせればいいと思う。(そして、それができないオペレーターはすごく多いし、そのことを不満足に感じるのは客として当然だと思う)

だから、「顧客番号を最初に言いましょうか?」と言ってくる客のことを、僕は否定するつもりはない。でも、なんでこんなに細かく描写したかというと、「顧客番号を最初に伝えることが、オペレーターにとって親切だ」と思って、そうしてる人が多いからだ。そういう人は、自分の善意や気配り(実際には単なる思い込み)が受け入れられないと、気分を害してしまう

 

それって、不毛じゃね?と思うのだ。

 

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「相手が望むこと」を想定するのはいい。大人として必要なことだ。でも、必ずしもその想定は正しくない。なぜなら、自分の知らない条件があるのが「他人」だからだ。

 

「客」と「会社」の例から離れて、会社内の「先輩」と「後輩」の関係を想定してみる。

ある新人の教育係になったとき、その先輩は、後輩に「タメ口」で話すべきか「丁寧語」で話すべきか。会社にまだ慣れずに緊張気味の後輩に対し、飲み会に誘うべきか、誘うべきでないか。ランチならどうか。

僕には正解はわからない。でも、「自分だったらどうか」を基準に考えるのはいいが、それを信じ込むのは慎重になったほうがいいな、とは思う。

 

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