2022年5月某日 「夢中さ、きみに」読んだ。
「夢中さ、きみに」(和山やま)を読んだ。画風もそうなんだけど、ユーモアの手触りも、佐々木倫子を思い出させる。佐々木倫子よりもドライで、「ほっこり感」は抑えめで、ギャグはシャープな感じ。
そんなに目立たないけど、よく見ると「変わった人」がいる。あるいは、「変わった行動」とか、「変わった気持ち」とか。それをツッコミを入れるでもなく、合いの手を入れるでもなく、淡々と拾い上げるスタイルのちょっと変わったギャグマンガ。
読み進めると、控えめだったからこそ「ほっこり感」が沁みてくる感じ。甘くないけど、優しい味。読んでよかった。
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5月某日 「ありがとう」と言ってから気持ちがこもる
受け取る必要のある書類があって、子どもの小学校に。普通ならクラスの担任が対応なんだろうけど、移動教室に行っているため、校長先生が対応してくださる。(校長先生も移動教室には付き添うんだけど、途中で副校長と交代するシステム)
依頼して作ってもらった書類を受け取り、内容を確認してる途中に、間を埋めるため、というか、挨拶の一環として、というか、「今回の移動教室、ありがとうございます」みたいなことを言ったのね。そうしたら、自分でもそんなつもりはないのに、ちょっと涙ぐんでしまって。
娘が出発1週間前のタイミングで体調を崩して、参加できるかどうか気を揉んだんだけど。「行かせる」のも「休ませる」のも迷ってしまって、ものすごくストレスだった。そのこともあって、学校側の苦労を想像すると、ちょっと泣けてくるものがある。
小学校がブログ的に移動教室の様子をサイトにアップしていて。「今日はお待ちかねのバーベキュー」みたいなタイトルの写真があった。子どもたちは距離を取って、同じ方向を見て座り(向かい合わず)、焼かれた肉や野菜は大人たちが子どもの皿に配っていく、そんなスタイルのバーベキュー。不条理コントのような光景だ。バーベキューとは何か、哲学的な問いを突き付けられるとは。
日本のいいところと悪いところが詰まった全部詰まった、そんな写真にツッコミつつも、その光景を嘲笑する気にはなれなかったな。「こんな、罰ゲームじみたバーベキューでも、それでもいいから子どもに体験させたい」というギリギリの切実な判断があったんじゃないか。そう思うと、現場の先生たちの苦労が想像できる、ような。
きっと、移動教室の実施に当たって、それぞれのアクティビティでいちいち、「やる」のか「やめる」のか、どうやるのか、ギリギリの判断があったんじゃないか。出発前のPCR検査も、「これは強制はできませんので、あくまでもお願いです」と、保護者会で説明を受けた。まるで思いつめたかのような校長先生の口調に、移動教室の引率への覚悟のようなものを、僕は感じ取ったんだった。
「ありがとうございます」と言った一瞬の間に、そんなことを思い出して、思わず気持ちがこもってしまった、のかもしれない。最初から感謝の気持ちがあって、それを伝えようと思って「ありがとう」と言ったのではなく、「ありがとう」と口に出した瞬間に、自分の中にあった感謝の気持ちを思い出す、みたいなことがある。
妻に、この話をして、それで「いつもありがとう」みたいなことを言った。言えてよかった。
6月某日 「チェンソーマン」読んでる
「チェンソーマン」(藤本タツキ)、読み途中。噂には聞いていたけど、おもしろい。ていうか、すごくカッコいい。カッコよさで、ひょっとしたらジョジョを超えてるかもしれない気がして、そんなマンガ他にあるのかよ、とすら思ったりした。
「ファイアパンチ」は殺伐として、その絶望がヒリヒリとイケてたけど、「チェンソーマン」にはユーモアというか、ポップな感覚が混ざっていて、より「キャッチ―な殺伐感」になってるのがスゴい。続きを読むのが楽しみ。
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