鯖缶@3rd&forever

2児の父のエッセイブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターあるあるなど。

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【日記】マンガばかり読んでるうちに日が暮れる(003)

2021年5月11日(火)娘が吹奏楽部に入りたい件

 

「櫻の園」という映画を思い出す。これは吉田秋生のマンガが原作なんだけど、マンガは春夏秋冬4つのエピソードで1年を描いていたのに対し、映画では1日のみを取り出して描いているのが大胆かつ秀逸な構成で。


女子高の演劇部の話。この名門女子高では、年に一度、春の創立記念日にチェーホフの「櫻の園」が上演されるのが伝統で、その上演前の朝。部員の1人がどうやら喫煙で補導されたらしい。そのうわさを聞いて、部員たちはざわめく。「ひょっとしたら、櫻の園、上演中止になるかもしれない」と。


「先生たちは、大人たちは、毎年『櫻の園』があると思ってるけど、私たちの『櫻の園』は今年だけなのに」みたいなことを言って少女たちは傷ついている。

 

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ところで、僕は「東京オリンピックが中止にならないといいな」と(あくまでも願望として)思ってる。もともと、「お祭り」を嫌悪してる僕は、その権化とも言うべきオリンピックなんてもちろん嫌いなんだけど、それでも。


「自分が嫌いなことを、コロナという状況を利用して堂々と叩く」みたいなことがイヤで、「けしからん。中止にすべきだ」って思わないように、自分の中のバイアスが働いてる。


(じゃあ、「開催すべき」と思ってるかというともちろんそんなことはなくて、「開催できるような状況になるといいな」という願望であって、現在の状況が「開催可能」とは思えないんだけど。というか、判断できるほどのデータを僕は持っていなくて)


うちの話。


子どもに、「4年生になったら自分で習いごと続けるか決めていい」って言ってたのね。なるべく自分で決めることが大事だと思ってたから。そうしたら、娘は年中の時から習っていた新体操をやめてしまった。


僕はその新体操の先生がすごく好きだった。「ガラスの仮面」の月影先生みたいな雰囲気。子どもたちに対して、威圧するような叱り方はしないんだけど、でも「返事」とか「終わりのあいさつ」とか、厳しくて、ナメた態度でいると「笑顔でやり直させる」みたいな感じ。子どもたちも、「先生が怒ったらマジで怖い」と察知して、背筋を伸ばしている。


娘は、新体操が嫌いになったわけではないんだけど、学年が進むとレッスンが夜になるのがイヤだったらしい。親としては、「自分で決めていい」と言った以上、やめるのを認めるしかない。


そして、4月になって、「小学校の器楽部に入りたい」と言ってきた。毎朝30分の朝練があるらしい。僕は内心ガッツポーズだ。なんというか、(この瞬間で見れば)親としては「賭けに勝った」感じじゃないですか。徐々に「親が決めること」を減らしていこうとしてるのは、自分で「これがやりたい」と思ってほしいから、なわけであって。


それで、4月の20日ぐらいに、「体験入部」に行って、フルートとかトランペットとかを吹かせてもらったらしい。…と、そこで「緊急事態宣言」で、部活動の停止に当てはまってしまい、器楽部はお休みに。親としては、なかなかにヤキモキする展開。


書いてるうちに考えがまとまるかと思って書き始めたけど、やはりなかなかまとまらない。僕は、「オリンピックができたらいいな」と書いたけど、正直に言えば「どう思ったらいいのか分からない」が近いかもしれない。情緒で考えるのは無意味に思えるけど、情緒でしか考えられない。


5月12日(水)「昭和元禄落語心中」を読んだ

引き続き、「ワンピース」を3年ぶりぐらいに読んでる。70巻ぐらいから再開して、今85巻。これがもう、驚くほど面白いんである。「もう疲れたよ。味が濃すぎて飽きた」みたいな印象で離れてたので、驚いた。「ワンピース」、あれほどのメガヒット作品でありながら、過小評価されがちなんじゃないか。


キャラ、エピソード、ギャグ、バトル、必殺技が「これでもか」と盛り付けられてる。「全部同じ味じゃねーか」とも思うんだけど、ドストエフスキーだってチェーホフだって村上春樹だって村上龍だって。だいたい同じ味じゃないか。


別のマンガ。面白くなかったからタイトル出さないんだけど、途中で「つまんないな」と思った作品を最後まで読み終わった。「ここまで読んだんだから、最後がどうなるかを知らずに終わるのはなんかもったいない」と「損切り」ができずに読み続けて、結局最後まで大して面白くない、と。まあ、「もう続きを読まないでいい」という意味では、最後まで読めてよかった。


最近読んで面白かったマンガをメモしておく。「昭和元禄落語心中」(雲田はるこ)。

 

昭和元禄落語心中(2) (ITANコミックス)

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全10巻中、3巻ぐらいまでそんなに好きじゃなかった。「落語描いたら“粋”なのかよ」とか思ったりして。なんというか「どうせしんみり泣かせようとしてるんでしょ。そんなに簡単にダマされないよ」という感じで、読んでる時のガードを上げてしまった。


感想を思い出しながら書いてる今では、「なんで評論家でもなく、楽しみで読んでるのにガード上げちゃってんのよ」とも思うんだけど、「私、カルチャーを愛してござい」みたいな余計な主張が鼻につくような気がしたんだ。(自分でもよくわからないけど、きっと嫉妬してるんだろう)


でも、それが途中からあんまり気にならなくなってくる。主人公が弟子入りする落語家の師匠の、若手時代の回想あたりから。物語に引き込まれて、「簡単に感動したりするもんか」っていう警戒心がどんどん軽くなってしまった。


「ライバルへの嫉妬とあこがれ」みたいな愛憎が入り混じった心情が伝わってきて、それをキャラが不器用に認めたり、認めなかったりするのを読むと、「俺にはわかるよ」と、味方になりたくなってしまう。


作品の中で、1つ本当に好きになれるポイントがあると、その他のことはほとんど気にならなくなる感じで、最初は嫌いだったわざとらしい江戸弁も、むしろピッタリとハマってくる感じ。最後まで夢中になって読めた。

 

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