子どもに将棋を教える話の続き。
子どもたちを、将棋教室に通わせ始めた。娘が小1、息子が年中の頃。募集のページには、「年長から」となっていたけど、相談したら受け入れてもらえた。
ところで、将棋に限らず、「習いごと」全般に言えることだと思うんだけど、子どもには、「ほかの子がしていることは真似してやりたくなる」という習性があるので、「先生に習う」ということはもちろん、「よその子に交じって一緒に習う」がありがたい気がする。
さて、その間、僕は子どもに将棋を教えるのはあまり積極的にはやらないようになる。もっと広く、「ルールのあるゲーム」で子どもと遊ぶ感じ。神経衰弱。これは手加減しないでもいい勝負。子どもは本当に強い。というか、僕が泣けてくるぐらい弱かった。「本気出す」と思って、札を覚えようとしても4枚ぐらいしか覚えられない。
娘の方が負けず嫌いで、「一度負けるとやりたくなくなるし、負けそうなものは初めからやりたがらない」という感じ。どちらかと言うと息子の方が「負けるともう一度やりたくなる」というタイプだった気がする。そう思うと、息子の方がゲームが強くなりそうだな。でも、息子と遊んでると娘もそれに交ざりたがるので、それはよかった。
ボードゲーム「カタン」もやったな。「確率」とか「交渉」とか「戦略」とかはもちろん最初はムリなんだけど、「サイコロ振って資源カード集める」「集めたカードで建設を進める」っていう手続きがごっこ遊びっぽくて、案外子どもでもできた。正式ルールどおりやると子どもが集中力続かせるにはちょっと長すぎるので、「初期配置で子どもには3箇所開拓地を取らせる」「ダイスで7が出たときに、手持ち資源かカード7枚以上だったら半分戻しルールの不採用」で時間短縮するとかの工夫はした。
ポケモンのポンジャン(僕が子どもの頃は「ドンジャラ」だった気がする)もやった。将棋と違って、子どもにこちらの手は見えないので、あがりを目指さずに子どもに勝たせるようにやりやすい(バレないように手加減できる)。
さて、そんな感じで「将棋以外」を主にやってきたけど、今年の春ぐらいから、駒落ちでの対局を意識してやるようにし始めた。コロナによる休校で、ヤバいほど時間が余ってたし、将棋教室もしばらく休みになったからだ。
最初は9枚落ちから始めて、わりとすぐに8枚落ちに。8枚落ちでも、結構子どもたちが勝ってくれる。棒銀、習って知ってるんだね。よしよし。だけど、7枚落ちになると、なかなか上手くいかない。
どうしたらいいか迷って、「ヒントあり」で7枚落ち、それでも勝てなかったら8枚落ちに戻ってヒントなし、2連勝できたら7枚落ち、みたいなことを繰り返す。でも、ヒント出してたら、答えを言ってるのとあまり変わらないしな。子どもに勝ってほしいけど、手加減はしたくない。
娘が、かなり上手く指して勝てそうな局面になった。でも、持ち駒の銀と金を打つ順番を間違えて、詰みを逃して悔し泣きした時があった。単に負けたことがムカつくんじゃなくて、誰かに先を越されたり、からかわれたりしたから泣いたんじゃなくて、「勝てたはずなのに、自分の力不足で勝ちを逃した」ことが分かっての悔し泣き。これにはグッときた。これは、ますます手加減できない。手加減したら、なんとなく伝わる程度には将棋を分かってきている。子どもたちの勝利の味を薄めちゃいけない。でも、子どもに何とかして勝たせたい。
それで僕は、詰みをわざと見逃したり、わざと詰ませる方を選んで王将を逃げたりする、「わざとの負け」はしないんだけど、序盤で子どもが勝ちやすいような展開にするように気をつけるようになった。「子どもの攻めを受けるフリだけして、本当はいなして、中段玉にする」というのが多分上手側の常套手段なんだと思うんだけど、それをやめて、玉はなるべく4段目まで上がらないようにする。これが今のところはいいバランスなような気がする。これで、子どもたちが勝てる機会が増えてきた。
次は、銀をもう1枚増やして、6枚落ちか。まだちょっと難しい気がする。子どもの成長を、のんびりと待つことにしよう。今では、将棋教室も再開した。息子が13級で娘が14級。年上の娘はは先を越されて悔しいことだろう。
息子の方が、攻めの手がよく見えて、どんどん攻めてくる感じ。娘は、丁寧に受けようとするんだけど、ちゃんとした受けはまだ難しい。それぞれ、楽しそうにやってる。他にも楽しいことがあるから、それほど将棋に熱心という感じでもないけど、誘ってみると楽しそうにするのは、とてもうれしい。
(いったんここでおしまいにします。またいつか、続きを書こうと思います)
(趣味の将棋についての連続エッセイとして、「将棋王にオレはなる!」というシリーズを書いています。シリーズ第1話はこちら↓)
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