(僕のスプラトゥーン修行を題材にした私小説です。95%実話ですが、あくまでもフィクションです。1つ前の日記はこちら↓)
スプラトゥーン日記(004) - 鯖缶@3rd&forever
2020年3月23日夜
ガチヤグラ(C+)6勝2敗、ガチアサリ(C+→B-)6勝2敗と好調だった。
思いついて、アカウント名を変更した。今まで、「ぱぱ」としてプレーしてたのだ。Switchを子どもらに買い与えて、家族内でアカウントを区別するためにつけた名前だから、「ぱぱ」というのは、まあごく普通の思考回路、という感じに思って、何とも思ってなかった。でも、スプラトゥーンにハマって、ガチマッチをやるようになると、なんとなく恥ずかしい。
「こいつ、“ぱぱ”のくせに平日昼からガチアサリかよ。子どもを潮干狩りに連れて行けよ」と思われてる気がしてしまう(被害妄想よ、今日もありがとう)。
なんでそんなことを思うか(人からバカにされてる気がするか)と言えば、なんのことはない、自分で自分のことをみじめに思ってるからだろう。それで、誰かのことを下に見て自分を保とうとする。だけど、そもそも自分に自信がないなら、誰かをバカにしても大して気持ちよくならない(自信があれば、誰かをバカにする必要もない)。誰かをバカにするほど、「みんな僕をバカにしている」という被害妄想のゲージが溜まっていく。
ところでガチマッチでは、実際「ぱぱ」「パパ」「〇〇パパ」をよく見かけるのだ。おそらくは僕と同じで家庭内で区別をつけるための名前だろう。そして、僕は相手に「ぱぱ」を見つけると、正直ナメてかかる。「子どもからコントローラーを奪って、いつまでも返さないんだろ? そのくせ大して練習もしてないだろ?」みたいに。そして結局、「僕もナメられてるのでは?」と思ってしまうのだ。
だから、ナメられないように、名前を変えようと少し前から思っていた。どんな名前がいいか。例えば、「ヤグラのります」とか「ホコもてません」とかがいいかな、と最初は思った。名前で、自分がやりたい位置取りを味方に伝えるイメージ。でも、「そんなの状況次第だし、ガチホコやってる時にヤグラ乗りますとか言われても面白くないだろ」と思って、ボツ。もっと、いろんなルールで使える名前はないか。「ウラトリするよ」「ぼくにとんで」「ビーコンつかって」とか? うーん。
結論としては。「センプクのかみさま」がいいのではないか、ということになった。実際には、僕はセンプクはほとんどしない(キル力に自信がないので、センプクよりも牽制を選んでしまう)んだけど、名前でハッタリをカマすのだ。僕が相手をキルしたあと、相手は「センプクのかみさま」にやられたことが画面に表示される、すると、実際にはセンプクしてなくても、無駄に警戒させることにつながるんじゃないか、と。味方は「あいつ全然センプクしてないじゃん」と思ったとして、笑うことはあっても、それほどムカつくことないのでは、と考えた。
でも結局採用したのは、「はなぢでるたろう」。勝負ごとに多少の盤外戦術はアリ、と思ってる方だけど、相手を挑発するのは得意じゃない(挑発してるこっちがビビっちゃう)。得意じゃないことをやっても、自分の迷いが増えるだけで、結局有利にならないんじゃないか、ということに落ち着いた。個人的には、ウケ狙いの名前をつけてる人は強いような気がする。そう思えれば、「ナメられたくない」という当初の目的は達せられる気がする。
西村賢太「苦役列車」に続いて「落ちぶれて袖に涙のふりかえる」を読み始める。僕のここ数日の日記が、「鬱々とした他人への呪詛が、自分に跳ね返る」みたいな雰囲気になってたとしたら、それは読んでる小説に自分が寄ってしまった感じかもしれない。僕としては、そうなってもいいけど、もっと気楽な日もあってもいいと思っている。
3月24日朝
ついに旅行の日程が迫ってきてる。アスレチックの予約しかまだしてなくて、あとは宿泊先と、メシを食う場所。河口湖のアスレチックなので、付近で泊まるのが都合がいい。BBQをする、という子どもが絶対に喜ぶ案を思いついて調べてみる。「コテージ、貸別荘でプライベートな時間を」みたいないけ好かないやつか、「学生様の合宿に最適! 100人まで予約可」みたいな絶対に同席したくないやつかしか見つからず、気分が萎える。
なんだろう、このすぐ萎えてしまう気分は。旅行の準備に向いてない。結局、2時間ぐらいいろいろ検索して、「ややまともなホテルでのすき焼き」に方針変更して予約。これで一応ミッションコンプリートなんだけど、あともう1つ。アスレチックを予約した土曜日が、雨の見込み。土曜に「雨でもできるアクティビティ」を調べなくちゃ。その場合、アスレチックは日曜に変更になる。
面倒くさい。その上、「面倒に感じてしまう自分」「計画や交渉が苦手な自分」のことを、「使えないやつ」みたいに責める気持ちもあって、ただ単に面倒なだけなだけじゃなくて、ヘコんでしまうんだ。
スプラの動画はちょっとしか見られなかった(ちょっとは見たのかよ)。
3月24日夜
ガチホコ(C+)5勝4敗。今のところガチホコだけボールドマーカーを使ってるので、ひたすら裏取りをやって奇襲していくのが楽しい(そのプレーが正解かはいまいち理解してない)。
ガチヤグラ(C+)5勝1敗。海女美術大学は得意。単に、自分が行きたい場所、相手に行かせたくない場所がはっきりしてる。そして、苦手だったモズク農園も、そんなに嫌いじゃなくなってきた。それと、相手のブキ編成を見て、「ホットブラスターを優先的に倒す」と決めて、それを試合中意識できた試合があって、それはよかった。実際にキルが取れたシーンは2回だったけど、実際にできるかどうかはともかく、まずは「意識してみよう」と思えたのが面白かった。
ガチエリア(B)9勝6敗。バッテラストリートで、途中プロモデラーMG(銀色のやつ)を使ってみた(2勝2敗)。この銀モデラー、ガチエリアで使うの(まだよくわかんないけど)かなり面白そう。というのは、エリアを確保するのがすごく早い。その一方で、射程とキル速が半端で、ほとんどのブキに対して「やや不利」みたいなイメージなんじゃないか。ほとんどのブキに「やや不利」ということは、「苦しいけどそこそこ戦える」なはずで、「仲間と協力して2対1」を作れれば、安定して戦えるような気がする(今の僕にはできないけど)。
職場でよく思うことなんだけど、「仕事がデキる奴」には2種類いて、それは「1つのやり方に特化して、ひたすらタスクを潰していくスピードキング」と、「複数のタスクを同時にできるマルチタスク野郎」だ。おそらくスプラでも同じで、「キル」とか「塗り」とかをひたすらやるスペシャリストと、すべてのタスクをちょっとずつやるゼネラリストが組み合わさると強いはず。
そして、僕のイメージする最強戦士は、「スピードキング」とも「マルチタスク野郎」ともどっちとも組めるカメレオンマン。「スピードキング」と組むときは「マルチタスク野郎」になって、「マルチタスク野郎」と組むときは「スピードキング」になれる奴が一番「デキる奴」だと思う。
これもスプラでも同じだろう。状況(編成、カウント、塗り、生存人数、スペシャル)に応じてやるべきことを変えられるカメレオンマンがたぶん最強。それで、この銀モデラーは状況判断とスキルを兼ね備えた上で使いこなせたら、かなりその理想形に近いのではないか? とかちょっと思った(たぶん間違ってるし相当難しいと思うけど、そんなビジョンはとりあえず持ってもよさそうかと思った)。
さてところで。夕方の買い物中に、旅行日程を変えることを思いついた。当初は金曜に法事があり、土曜にアスレチックがある予定だった。それで、土曜が雨の予報だったのでアスレチック以外の代替案を考える必要があったんだけど、よくよく考えてみればやることを替えるんじゃなくて。日付を変えればいいんだった。はは。木曜は、娘の習いごと(新体操)の練習があったんだけど、練習場所の体育館が休館で、かつ月末の予定だった発表会も中止。木曜に家に残る理由がない。妻は一時的に失職中で、僕も木曜は休み。ははは。簡単な話じゃないか。木曜は完全に晴れの予想。
朝予約したばかりのホテルも日程変更して、アスレチックも日程変更。そして、木曜出発でレンタカーの予約もした(当初は電車のつもりだった)。あんなに面倒だったことが30分でできた。確定申告とかもそうだけど、「本気になれば1時間かからないない程度のこと」を、人は本気で面倒に思うものだ。
3月25日夜
仕事中、左の親指にできたマメ(スプラマメだ)が痛むので、「今日はスプラトゥーンはやめとこうかな」と思った。明日は久しぶりに車の運転だから、早めに寝て目を休めたくもある。
でも、結局は帰ってからやったんだけど。ガチエリア(B)4勝4敗。得意だと思ってたチョウザメ造船で0勝3敗(ムツゴ楼で4勝1敗)が痛かった。チャージャーにやられまくった。今まで、「B帯でそこまで上手いチャージャーさんいないし、相手にチャージャー系いたらむしろラッキー」ぐらいに思ってたけど、今日はその上手い人と当たって、自分に何の対策もないことを思い知らされた。よくよく考えれば、射程に入らずに塗り合いで勝負すればいいのに、倒したい欲で考えなしに前に出てしまって、逆に抜かれまくる、という。チャージャーに限らず、「このブキとの対戦をどうするか」について、まったく考えてないことが自分でも分かってしまった。少しずつ、考えていこう。
3月28日夜
26日の朝に家を出て、2泊3日の旅行から帰ってきた。ここでは、旅行のことを詳しく書くのはよしておくことにする。「レンタカーでの移動」「人の密集しないアクティビティ(野外のアスレチック、身内のみの法事)」「家族に過去何週間も体調不調者がいない」ということを考慮して、旅行をキャンセルはしなかったけど、それでも「ずっと家にいる」と比べれば感染拡大のリスクを上げていることには変わりはない(家族に無症状の感染者がおり、それを旅行先に持ち出している可能性が理論上ゼロではない)。「旅行楽しかったよ」などとアピールする気分にはなれない。
僕自身は、旅行の途中に新型コロナへの恐怖、不安が急に爆発した。一般に、この不安には、複数の要素が組み合わさってると思う。「自分や家族が感染すること」「自分が知らないうちに感染していて、それを誰かに感染させてしまうこと」「失職や収入減の可能性」「ヒステリックな社会、それを煽るネットやマスコミ、道を示せない政治の無限ループ」みたいなことの不安や不満、恐怖がまぜこぜになってる。それをこねくりまわして、だんだんとメレンゲのように膨らませてしまう感じ。
それでも、数日前までは「もちろん怖い。でも、怖がってもしょうがない。最低限やるべきことはやって、あとはなるべく普段通りに過ごす」みたいに考えてたんだけど、この旅行中に、「もし子どもが感染して、重症化し、死ぬまで苦しみ、しかもその臨終に立ち会えないのだとしたら?」と想像してしまい、その想像に耐えられなくなった(今もそうだ)。
車の中から見た、たくさんの桜。1週間前に神田川沿いを散歩した時には、まだ「春の予感」ぐらいの咲き方だったのに、もう「咲き誇って、春の空気を支配してる」ぐらい。この、「あっという間にピークを迎える感じ」すら、感染爆発を連想してしまうほど。
「目に見えないものへの恐怖」は、なかなかに取り扱いがやっかいで、「慣れ」が一番の対応策だと思うんだけど、「恐怖には慣れつつ、緊張感は失わない」みたいなメンタリティ、保てるかどうかあんまり自信がない。
旅行から帰ってきて、スプラもやった。ガチホコ(C+)3勝7敗。ボールドマーカーを使ってたんだけどうまくいかず、オーバースロッシャーデコやスプラシューターコラボを使ってみたりして迷走。
あまり勝てなかったとはいえ、普段使わないジェットパックを使えて楽しかった。スペシャルウェポンは、将棋で言えば飛車や角の大駒だろう。初心者は、まず大駒の生かし方を身につけるといい。スペシャルウェポンの練習もいろいろ試してみようか。
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