鯖缶@3rd&forever

2児の父のエッセイブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターあるあるなど。

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スプラトゥーン日記(003)

(僕のスプラトゥーン修行を題材にした私小説です。95%実話ですが、あくまでもフィクションです。1つ前の日記はこちら↓)

スプラトゥーン日記(002) - 鯖缶@3rd&forever

 

2020年3月14日夜

ガチホコ(B-)0勝4敗。プレー中に妻から、「このがん保険に入ってもいいかなって思ってるんだけど」と聞かれ、ちょっとパニクる。


そういう「人生っぽいイベント」から逃げ続けてきたから43歳にもなってスプラトゥーンにハマってるわけであって、反射的に耳を塞ぎたくなってしまう。「がん保険に加入するべきか」「入るならどんな補償内容が適当なのか」を考えるのが面倒なら、むしろさっさと加入してしまうのが正解じゃないか。だけど、「こんな内容で保険に加入するなんて、考えが足りない」って、空想上の誰かにバカにされるのが悔しくて、「ちゃんと考えて、比較して正解を選びたい」ってなってしまう。それで、ちゃんと考えたい、情報を集めたいとなると、面倒になって、結局何もしない。そのことを後ろめたく思って、「ちゃんと人生に必要な手続きを進めてる人」をひがんでる。ひがんでることを知られるのが一番悔しいから、「ちゃんとしてる人」のアドバイスも聞けない。


それで、「うわー、がん保険かー、その話題ヤバい」みたいな精神状態に一瞬でなって、「そうだね、いいんじゃん」みたく他人事っぽい返事をしてしまった。「資料もらってきてくれたんだね、ありがとう」とは言ったけど、態度が他人事では、口先だけのお礼など無意味だよね。すまん妻よ。


その、「がん保険パニック」があったからか、ガチホコは4連敗。そのまま続けなかったのが唯一の勝利か。人生の合間にスプラトゥーンがあるんだろうけど、僕としてはスプラトゥーンの合間に人生がある感じがする(なんだそれ)。人生の問題が片付いていないと、スプラも楽しくない、とか思って、時々は人生をやっていくしかない(考えてることが雑)。


あとはガチアサリ(C+)2勝0敗、ガチヤグラ(B-)3勝2敗。敵プレーヤーの場所、敵味方の人数が見えてる時間が増えてきた実感がある。「人数有利=ヤグラ乗る」「人数不利=ヤグラ乗らない」と試しに決めてやってみた。正解かは分からないけど、プレー中の迷いは減ってよかった気がする。

 

3月15日夜

やってしまった。禁じ手を、やってしまった。子どもと妻が寝たあとの、「夜更かしスプラ」を。


今日は、バイトから帰ってきてから、ガチヤグラ(B-)が1勝3敗、ガチアサリが4連敗と振るわず、そのまま就寝時間(僕は3時起きがルーティンなので、夜は子どもと同じく21時に寝る)。


日中、子どもたちには「ゲーム30分」を守らせてるのに、僕は毎日2時間ぐらいプレーしてるだけで親としてヤバいのに、その上、「子どもが寝ようとしてるのに、”寝る流れ”をジャマする行為」までしたら、終身刑でも文句は言えない(一応書いておくと、就寝と終身の超絶おもしろいやつ)。なので、21時にはスプラはやめて寝るのが普段の鉄則だった。


だけど今日は、「風呂で出た鼻血が止まってから寝る」とか言い訳して、「ワーニャ伯父さん」を読みながら家族が寝るのを待って(21時半にはみんな寝た)、そこからスプラ再開。


そこまでは、別によかったんだけど、何を思ったか飲酒までしてしまった。「夜更かし」+「飲酒」+「スプラトゥーン延長戦」この罪悪感が超楽しいのではないか、と思って、普段は使わないヘッドホンをつける。


だけど、意外とこれが楽しくない。ガチエリア(C+)で4連勝してB-にウデマエアップしたけど、酒に弱い僕はすぐに酔って、全然相手の位置とかが見えないし、いちいち反応が遅れるし。仲間が強くて偶然勝っただけで、バトルをしてるというよりは、「自分でもよく意味の分かってない作業をしてる」っていう感じ。


これは焦る。「楽しくない」は、正直言って焦るんだ。「昨日まで楽しかったことが今日楽しくない」が起きると、どうしたらいいのか混乱する。(僕は9月からの5ヵ月間は、NFL観戦が生活の中心になるんだけど、その間にも時々「アメフトとかどーでもいい」みたいな気分になることがあって。まあちゃんと寝て睡眠時間確保すればまた楽しくなるんだけど)


思いついて、ガチエリアをいったんやめてサーモンランに種目変更。そうしたら、これはめっちゃ楽しかった。僕はパチンコはやったことないんだけど、「酔っ払いサーモンラン」のジャラジャラ感はウケる。これはハマりそう。


そのあと、もう一度ガチエリアやって、2敗したあとの1勝で一応満足して打ち止め。最後は楽しくなって安心した。


それにしても、「酒に酔って物事の認識が適当になる感じ」を、「楽しい」と思うか、「楽しくない」と思うか。今日はその両方を味わった気がする。まあ、本格派の酒飲みの人たちは、「楽しいかどうかの問題じゃなくて、飲まずにはいられない」なのかもしれないけど。


3月16日夜

昨日は「夜更かし」とか言いながら寝たのは22時半だったし、今日は「朝寝坊」とか言いながら起きたのは5時半だ。健全かよ。


ガチホコ(B-)1勝5敗、ガチヤグラ(B-)2勝6敗、ガチアサリ(C+)2勝3敗と不調。そんななか、ガチエリア(B-)だけ無傷の7連勝だった。今一番慣れてる「オーバーフロッシャーデコ」が、エリアのルールに適してるということなんだろう。


今日は寝坊した(5時半だけど)せいで、朝にスプラ動画を見て勉強する時間が取れなかった。で、案外それが1日大きく響いた感じがある。毎朝、動画を見ることで、「上手い人のプレーの中で、自分でもマネできそうなこと」を整理していたのが、それがなくなると、「何となく」プレーしてしまう。そうすると、負けた時にイラつくのだ。自分の中にテーマを持って臨んだ試合は、負けたとしても「自分のやりたいプレーができたかどうか」という部分での悔しさだから、楽しめる。でも、テーマなくやってしまうと、うまくいかないとただ単にムカつくだけ。


いやあ、「テーマなくプレーすると、うまくいかない時にムカつくだけ」か。この言葉、キツいな。それって、人生じゃないか。僕のことじゃないか。


スプラトゥーンのプレーのコツを初心者なりにまとめて、「ゲームプランを事前に立てる。事前準備をして、プレー中は自分のできることに集中する」「スタート地点から、次に行きたい場所をはっきりさせる」「ゴール地点から逆算して、そこに行くにはどの場所を確保すべきか考える」とか書いてきたけど、それって、人生じゃん。おい自分、人生、やれよ。スプラもしていいけど、その合間の人生も、テーマ持った方が楽しめるぞ。なあ、自分よ。


とりあえず、明日はまた早起きして、動画を見るルーティンに戻ろう(人生やるんじゃなかったのかよ)。


3月17日朝

昨日の夜、スプラトゥーンについて書いてたつもりが、突如「人生」とか出てきてちょっと萎えた。「人生にテーマを持つ」って、そんな単純な話じゃないよね。スプラトゥーンは、3分とか5分とか時間が区切られて、勝利条件もはっきりしてるから、「最適な行動」もある程度決められるけど、「人生」って。残り時間も、勝利条件も曖昧でしょ。「最適な行動」なんて決められない。


だから、「人生」を頑張るのは無理だよ。頑張るなら、「今日1日」とか、「目の前のこと」とか。「この1週間」とかでしょ。ああ、そうか。決められないからこそ、「この1日にテーマを意識して作る」のが、人生のコツなのか。そうかもしれない。分かったよ、明日考えてみるよ。


結局スプラ動画をいくつか見る。自分でも、できそうなことをいくつかメモした。

・「やられた」を押す。
・自分のスペシャル溜まった音に気づく
・イカメーターを見る
・防衛のポイントをいくつか予習しておく


これは、操作の巧拙にほとんど関係ない。初心者でもできるはず。でも、イカメーター、なかなか見られないんだよな。とりあえず、「インク補充のタイミングでなるべく見る」ように意識してみるといいかもしれない。


「スペシャル溜まった音に気づく」こんな簡単なことがなぜできないか。「溜まったと思ったらまだ」とか、「溜まってるのに気づいてなかった」なんてよくある。たぶん、「そろそろ溜まるはず」とか思ってると、音も聞こえるんだろうな。


そうか。「さんぽ」で、初動の動きを「スペシャルが溜まるまで」決めてしまって、それをくり返し練習するのはどうだろう。「これだけ塗ればこのタイミングで溜まる」というのをつかみやすくなるのではないか。NFLでも、最初のオフェンスドライブのプレーコールはあらかじめ決めてシナリオ化してるっていうしな。


3月17日夜

ガチホコ。B-で1敗してC+に。幸先悪い。B+まで上がって、全ルールの中で一番得意だと思ってたのに。ランクダウンの流れを止められず。C+でも流れは止められず、トータル2勝5敗。

 

ガチエリア(B-)は、ここ数日の好調が止まり最初1勝4敗。午後に好調を取り戻して6勝2敗で、トータル8勝8敗。ガチヤグラ(B-)2勝2敗。ガチアサリ(C+)7勝4敗。

 

(負けまくったように思ったけど、トータルは勝率イーブンだったのか。意外)

 

ガチホコのスランプは、「以前より状況が見えるようになってきて、その分迷ってしまう」なんじゃないかと。「状況が見えた上で思い切って行動」になればまた勝率も上がるはず。


ところで、デスした時の「やられた」全然押せない。アホかってぐらい押し忘れる。「プレー中に動きながらナイスを押す」という練習は相変わらずやっていて、ちょっとはできるようになってきてるのに。「やられた」を押す方が簡単で、どちらかというと重要なはずなのに。


たぶん、やられる直前まで気づいてなくて、やられた直後に「うわー」って一瞬頭真っ白になるからだろうな。サーモンランの時は、「ヤバい、ヤバい、死ぬ、誰か、たす…」って思いながらデスしてるので、すぐに「ヘルプ」を出せる(間違えて「ナイス」することもよくあるけど)。


そして、「さんぽ」。全然できなかった。アホか。たぶん、僕はまだスプラトゥーンにハマってることに罪悪感みたいなものを感じていて、「バレないうちに、なるべく早くプレーを始めよう(バレるんだけど)」みたいに思って、「さて、さんぽでもしてみようかな」という余裕がないんだ。なんだそれ。


今日は、子どもらを公園に連れていって、ベンチで「ワーニャ伯父さん」を読んだ(ようやく読み終わった)。この戯曲は、ワーニャ(47歳)が「卑屈になって他人をやっかんでる」だけの話だ。10代の頃読んだときには、「人生の苦味、目に染みるぜ」みたいに思って、淡い憂鬱に浸ったけど、いざ自分が40代になってみると、その苦味は想像の100倍の濃密さだった。


「中年の危機」に、エスプレッソぐらい苦さを想定してたんだ、僕は(倒置法!)。書斎で、自叙伝か何かを書きながら飲むコーヒー、ぐらいの、オシャレインテリア感覚で、「中年の危機」を味わおうと思っていた。なんと人生をナメてたことか。これは、エスプレッソなんてもんじゃない。「吸殻の煮汁」だよ。


ああ、僕は、職場で年下の上司から対等な口をきかれただけで、息が詰まりそうになる。怒りで我を忘れそうになる。もちろん、実際の「臨界点」までは相当な余裕があるのは自分で分かってるけど、あと10年経ったら自信がない。いや、10年と言わず、明日にも「臨界点」は来るかもしれない。もし、そんなことになったら。「年下の上司」が、特別に失礼な態度を取ったわけじゃなく、「普通に」口をきいただけで、僕が泣き出したり、怒り出したりしてしまったとしたら。そんな屈辱的なことはない。


というようなことを思いながら、「ワーニャ伯父さん」を読んだ。毒をもって毒を制す、だ。現実の苦さを中和するために、文学でも久しぶりに味わってやろう、とか思った。


今日、スプラトゥーンでランクが40になって、「パパ、すごいじゃん」と息子から言われて、「すごくないよ。ランク40になってもまだAに行ってないんだから」みたいなことを答えた時も、「40代にもなってこの年収(涙)」という回路に思考がつながりそうになって、慌てた。慌てるなよ、自分。小説でも読んで寝てろ。

 

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