鯖缶@3rd&forever

2児(娘8歳、息子6歳)の父のエッセイブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターあるあるなど。

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敏感さと鈍感さの同時運用(パワハラについて思うこと)

 

ディズニーランドでのパワハラのニュースを聞いて、「まさか、うわー、マジかよ」っていう驚きがありつつも、そのすぐ後には、「まあ、そりゃあ、きっと、そうだよね。パワハラ、あるよね」みたいな妙な納得感もあった。


「この世のどこかに、フレンドリー感だけが充満する楽しい世界が実在してくれ」っていう願望になんとなく加担してたけど、それは「豊かな想像力」なんかではなくて、むしろ想像力を麻痺させないと楽しめない世界なんだよな、というようなことも感じたりもした。


パワハラという言葉を聞くと、思い出すエピソードがある。ちょっと違うかも知れないんだけど、僕的には忘れられないエピソードなので。


職場(コールセンター)でのこと。コールセンターは、個人情報を取り扱いまくってるし、その正しい管理ができないと信用のど真ん中を失うことになるだろうから、「個人情報」には、ヒステリックなほどに慎重になっている。


特に恐ろしいのはFAX送信だ。超簡単に個人情報を関係のない人の所に届けることができてしまう。なので、FAX送信をする時には、「すでに登録が済んでいるワンタッチ送信の機能のみを使って」「必ず2人で宛先のディスプレイを指差し確認して」から送信している。


そんな非効率なことはないので、FAXは使われる機会はどんどん減ってきてはいる(システムで自動判定された宛先にデータ送信されることがほとんど)。


だけどたまに、システムのメンテナンスの時に「FAX送信業務」が発生する。僕がたまたまFAXの近くで業務をしていると、FAX当番が2人やってきた。それが、「イケてない男性(先輩)」と「イケてる女子(新人)」という組み合わせで、僕はハラハラした。「セクハラ的な場面に遭遇するのではないか、そうしたら僕がそれを止めるのか、告げ口するのか、スルーするのか、迷うのではないか…」という余計な心配である。


実際に起こったことは、今思い出してもムズがゆくなる。男の先輩が、仕事の内容を新人女子に教えて、2人で大量の書類をFAX送信をし始めた頃。男の先輩は完全な上機嫌になっている。そりゃあそうだ。「FAX送信とそのダブルチェック」という、不条理演劇のような簡単な業務を、イケてる新人女子と組んでやってるからだ。機嫌よくなるな、という方が無理がある。


「FAXの、このボタンを押して、書類の、宛て先と照らし合わせて、OK。送信」

「で、FAXが送られていくから、この時にね、息を止めてられるか、試すと楽しい」


ひょっとしたら、僕は厳しすぎるのかもしれない。でも、これは僕にとってはパワハラの範疇に全然入る。だって、新人の方は、先輩の指示を聞き逃せない状況にいるのだ。そこには明確な権力関係がある。その、「話を聞かなきゃいけない」っていう立場を利用して、先輩の方は、「ウケ狙いのクソつまらないネタ」を業務にぶっ込んできて、必要以上のコミュニケーションを新人女子に要求しているではないか。それが性的な内容を含んでいても、いなくても、「望んでいないコミュニケーションを求められる」という時点でセクハラじゃないか。


もちろん、これは僕のまったくの主観に過ぎない。「女子はきっと嫌がっているに違いない」というのは、その先輩男子の立場をやっかんでいる僕の願望に近い。

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僕はこのエピソードで、「先輩男子のつまらないネタ」が「ハラスメントだ」と、半分以上は冗談じゃなくそう思う。でも同時に、「そんなの、誰でもいつかはやっちゃうでしょ」ということも思う。よっぽどの人格者でなければ、新人女子に気に入られたくて、なにがしかの「余計なこと」をやってしまうのではないか。


その先輩男子を「ハラスメントじゃね?」と言いつつ、「でもそんなの普通じゃね?」と言ってるのはで我ながら話をややこしくしてると思う。でも、僕が一番興味があるのはそこの部分なんだから仕方がない。


「敏感さ」と「鈍感さ」の同時運用みたいなことが、(ハラスメントに限らず)職場では重要なんじゃないか。僕は、「バイト先輩」と「バイト新人」の間にも、「権力関係」がある以上、そこには不可避にパワハラが存在する、という敏感さが必要だと思う。どんなわずかな「パワー」でも、それは抗し難いほど甘美なものだと思うから。


だけど、今回の例で言えば、(その新人女子がマジで嫌だったのならともかく)そこまでムキになってこだわるのも違うかな、という気がする。その「先輩男子」には、特に新人女子をクビにしたり、評価したりする権限はないからだ。「自転車も軽車両なのだから道路交通法を守るべき」は正論として否定する必要はないけど、あまり敏感になりすぎて、逐一取り締まるのも現実的でない、というか。


「道路交通法」の例を続けてみる。不謹慎を承知で言うと、「パワハラ」にも「免許取り消し+懲役刑」級のパワハラと、「免停」「点数+罰金」「厳密に言えば違反かもしれないけど、まあ見逃すのが普通かな」みたいな、それぞれのレベルのパワハラがある気がする。


それぞれのレベルのハラスメントに、有効な対応は変わってくると思うんだけど、現実には一緒くたになって扱われたりしていないか。僕の杞憂かも知れないんだけど、「パワハラ? なんか、面倒くさ」と、自分には関係がないつもりで「自分のパワーへの無自覚」を温存させている層と、敏感になりすぎた挙句にただ疲弊している層と、双方がただ思考停止したまま対応策を作れずにいるように思えてならない。

 

ちょっとパワハラの話とは違うんだけど、「敏感と鈍感の同時運用」の話を広げてみたい。


僕の職場で、1年ぐらい前から「コントローラー」という役割ができた。できたというか、それまで「マネージャー」と呼んでいた現場統括者の役割名(主任とか、課長代理とかの「役職名」と別で、「マネージャー」は現場のバイトスタッフを統括する役割)を、なぜか「コントローラー」と呼び始めた。


先日、ふと直属の上司と「コントローラーって呼び方はヤバすぎる」と雑談で話した。「コントロール」は、管理職を形容する言葉のなかで、おそらく最悪のイメージじゃないか、と。おそらく、「部下をコントロールする」んじゃなくて、「仕事の流れをコントロールする」みたいな意味合いなんだろうけど、それでも少なくともイメージとしては最悪な気がする。


「マネージャーは、少なくとも責任取ってくれそうな雰囲気があるけど、コントローラーはチクチク嫌味を言うだけっぽい。せめてコーディネーターでしょ」とか、「いや、コーディネーターはキモいな。だいたい、役割の名前に何らかの仕事の哲学を持ち込んでくるとヤバい。もっとシンプルに、チーフとかでいいでしょ」とか話した。


結局、単なる呼び名のことだからどっちでもいいや、ってなったんだけど、3日後ぐらいに「されど呼び名」かもな、と思い直した。


どういうことかというと、理想の管理職のあり方、ダメな管理職のあり方を議論するのは話が広がりすぎるし、結論があいまいになりがちだけど、「呼び名」は議論可能だし、その議論を使って、「管理職のあるべき姿」に共通認識を作るようなことはできないか、と思ったのだ。


「たかが呼び名」なんだけど、「されど呼び名」と敏感に思って、立ち止まって議論をする。だけど、その議論にそんなにヒステリックになることはない。もともとが「たかが呼び名」の話なんだから。つまり、敏感でいるために鈍感さを発揮するというか。


同じことは、PC(ポリティカルコレクト)表現にも言えると思う。消防士をファイアマンと言わずに、ファイアファイターと言ったり、議長をチェアマンと言わずにチェアパーソンと言ったりするアレ。ここでは具体的な話まで立ち入らないけど、ここでも「敏感と鈍感」を両立させられないか。「たかが言葉」vs「されど言葉」と対立させるのではなく、「たかが言葉」かつ「されど言葉」と両方の感性を尊重して問題に接することはできないだろうか。


ちょっと長くなりすぎたので、ここでいったん話を終わらせる。また近いうちに、続きを書きたい。

 


※「パワハラ」について感じたことをもっと短くまとめた過去記事もあります。よろしければどうぞ↓

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