将棋マンガ、「ハチワンダイバー」(柴田ヨクサル)を読み直したら、猛烈に面白くて興奮したので、ひたすらにおすすめしたい。
#ハチワンダイバー 読み終わった!
— 鯖缶メモ (@savacanmemo) 2018年7月29日
・将棋の面白さを濃密に描いてるのに、キャラや展開がマンガらしいバカらしさをずっと失わず、将棋を知らなくても理屈抜きで楽しめる!
・誇張がありつつも、棋士の「人としてのヤバさ」の描写が迫力ある!
・登場する将棋の棋譜は本格的。将棋ファンも納得! pic.twitter.com/d8McMBHz3y
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マンガの題材として、「将棋」というのはとっつきやすいんだろうか? 難しいんだろうか?
読者目線としては、「将棋指し」はキャラとして感情移入しやすい気がする。スポ根マンガの主人公にも共通するような「努力、根性、青春」とかを出しつつも、「根暗」とか「変わり者」「孤独が好き」「理解されない」みたいな要素を入れてもよくて、マンガの主人公としても敵キャラとしても魅力的。
また、将棋に限らず、麻雀漫画でも、スポーツマンガでも同じだと思うんだけど、「最大の敵=最大の理解者」というのもグっとくる。
「自らのすべてを将棋に懸けて、どうしても倒したいライバルがいる」という思いがあったとして、その思いの質量をもっとも理解できるのは対戦相手だろう。ジョーと力石(「あしたのジョー」)の例を出すまでもなく、そんなの、切ないではないか。
さて、「キャラ」という意味では、「将棋」はとてもマンガに向いた題材だと思う。でも、「将棋の対局そのものを面白く描けるかどうか」というと、かなりの難題なのではないかと思う。
例えば「スラムダンク」では、もちろんキャラがすばらしく魅力的なんだけど、もしも描かれたバスケの試合が面白くなかったら、マンガとしての迫力は半減してしまったはずだ。
「フェイント」とか「緩急」とか「疲労」とか「迷い」とか、そういう試合中に起きることをしっかり描いたからこそ、キャラも生きてきて、「スラムダンク」のドライブ感は常に失われることがなかったのではないか。
きっと、将棋マンガでも、「将棋の対局内容」がしっかり面白く描かれていなければ、マンガの迫力は半減してしまう。
「将棋を面白く描く」のは、相当に困難だ。ある局面で、「歩を一つ前のマスに進めた」ことの意味を理解するためには、相当将棋を分かっていないと難しい。「ある程度将棋を分かっている人」に、「解説がすごく得意な人」が説明すれば別だけど、そんなことをイチイチやっていたらマンガとしてのスピード感がなくなってしまう。
その点において、ハチワンダイバーは奇跡的な成功を収めた作品ではないか。将棋のルールや手筋がまったくわからなくても、「スリリングな終盤」とか、「中盤での意地のぶつけ合い」とかを、何局も体感できる。どんな風に成功しているかは、もう読んでもらうしかない。
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すでにマンガファン、将棋ファンに行き渡ってるメジャーな作品だと思うけど、もう一度読んでみてほしい。僕は、読み直して驚いた。これほど面白い作品だとは気づいてなかった。
まだ読んでいない人は、最初の3巻だけでも、今すぐ読んでみてほしい。「王道っぽい迫力」と「味わったことのない不思議なスピード感」の両方が味わえると思う。
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