「おっさんになると新しい音楽を聴かなくなる」という説に、身に覚えがありすぎる。僕の場合は元からそんなに音楽聴かないから分からないけど、小説、映画、マンガについては本当に新しいものに手を出さなくなった。
暴論を承知で書くけど、「おっさんは、何か新しいことが起きると不機嫌になる」生物だ。もう、いくらかのセコい既得権を持っていて、それが脅かされるのがイヤなんだ。
僕の場合に当てはめると、「ラノベ? なにそれ? まずドストエフスキー読んでから言えよ」みたいな。口にこそ出さないけど、正直言えば、ほんのちょっとだけそう思ってる。 自分がドストエフスキーに詳しいわけでもないのに、随分な態度じゃないか。
この考えは我ながらヤバいと思う。「自分の知ってるものを知らない人がいると上から目線になる」「ラノベ読んだことないくせに、根拠なくバカにしてる」「自分の土俵じゃないと会話したくない」「年下に何かを教わるのは屈辱」というような感性が前提になってるわけだ。
僕はそんな「おっさん感性」から脱却したいと思う。(ところで、年齢的に関わらず、世の中の多くの人が「なんちゃって保守」みたいな雰囲気、なのもひょっとしたら同じことなのかも知れないけど、話は完全に僕自身の感性の痴呆化の話)
なので、「おっさん」→「新しいものを求めない」の図式を逆転させて「新しいものと出会う」→「おっさんじゃない」の流れを自分に引き寄せたい。
なので、ここ1年意識してマンガを読み始めた。最近読んだマンガをまとめておきたい。
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「日々蝶々」
ちょっとずつ読んでる「#日々蝶々」(今7巻)
— 鯖缶メモ (@savacanmemo) 2018年7月5日
①彼のこと好きかもって、まだ自分でも気づいてない
②好きかも!
③好き!
④彼も私を好きかも
⑤両想いだけど、どうしたらいいの?
⑥付き合うってなに?
(続く…)
言葉で書くとこんなクソなのに、それでも面白いマンガなんだからすごい。
少女マンガは全然知らなくて、このマンガがどういう位置づけなのか、いつぐらいの作品なのかもよく知らないんだけど。おっさんがイメージする少女マンガらしい少女マンガ。
「主人公が好きな男の子と目が合ってドキドキした」っていうだけで1話分が終わる、みたいな。
少年マンガのスポーツマンガだと、試合と試合の合間にちょっとショートコントっぽいエピソードが挟まったり、多少脱線するものだが、このマンガは「恋」の進展に無関係なエピソードはほとんど出てこない。
文化祭で、好きな子と2人っきりになった30秒、はコッテリ描いて、「どんな出し物」を「どんな風に準備したか」とかはほぼ説明しない、みたいな。
そりゃあそうだ。恋の行方以外は、確かにどうだっていい。
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「ハチワンダイバー」
オッサンになると新しいものに挑戦しなくなる、という怠惰な感性、に喝を入れるため「少女マンガを読む」という、比較的ヌルめのタスクを自分に課したはずの僕でしたが、結局「#ハチワンダイバー」を読み直してる。面白いから、反省はしない!
— 鯖缶メモ (@savacanmemo) 2018年7月2日
たぶん今さらだと思うんですが、「#ハチワンダイバー」面白すぎないですか? 僕は将棋ファンなので逆に判断難しいところもあるんですが、マンガとしての熱量がすごい。小手先っぽさがなくて、ストレートで、言い訳くささがなくて。「これで伝わるだろ」っていう思い切りがカッコいい!
— 鯖缶メモ (@savacanmemo) 2018年7月3日

ハチワンダイバー 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 柴田ヨクサル
- 出版社/メーカー: 集英社
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連載当時も毎週立ち読みしてたはずなんだけど、あまりよく覚えていなかった。でも、読んでみたらものすごく面白い。
僕は昔からの将棋ファンだけど、最近は「将棋を指したことがなくても見るのは好き」という「見る将」の人がすごく増えたという。
プロ棋士の指し手の意味はほとんどわからなくても、経過や結果に一喜一憂し、「推し」の棋士が負けたりするとひどく落ち込んだりする。
「手の意味が分からないのになにが面白いのか」と不思議なような気もするけど、じゃあ初段程度の実力のファンがトッププロの指し手の凄さが分かっているかというと、必ずしもそうでもないわけで、実はそんなに不思議でもない。
「スケート靴履いたことなくても浅田真央さんや羽生結弦さんを応援するし、メスを持ったことがなくても医療ドラマにハラハラするのと同じ」と言えなくもないのだが、やっぱり不思議な気もする。
この「ハチワンダイバー」は、将棋のルールを知らなくても、全然楽しめるところがすごい。言い訳のない表現で、「勝負事のコア」をぶつけてくる感じ。すさまじい表現力ではないか。
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「べしゃり暮らし」
「#べしゃり暮らし」読み終わったー。
— 鯖缶メモ (@savacanmemo) 2018年6月9日
面白かった!
作中に出てくるネタのレベル、高すぎ!ただ単に漫才として面白いだけじゃなく、笑いの種類とかも描き分けられてる感じ(青春ドラマ上重要)もすごい。
NMCに出る芸人のコンビ名も全部面白そうで、素でエグい。

べしゃり暮らし 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 森田まさのり
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/11/19
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もはや、「お笑いの人」っていうのは憧れの存在だし、競争率も高く、負けたらつぶしが効かない、みたいな意味ではスポ根的な青春モノの題材としては相性バッチリな素材なのかもしれない。先輩や、後輩、周りの芸人、相方だって「ライバルであり、仲間でもある」というのも。だけど、なかなか芸人を題材にしたものが難しいのは、「つまらないネタ」と「面白いネタ」を書き分けるのが困難すぎるからではないか。
「べしゃり暮らし」は、作中に出てくる漫才やコント、一発ギャグとかのネタのレベルが高くて、読み応え満点。
「黒子のバスケ」
「#スラムダンク」世代で、「#黒子のバスケ」を無意識のうちに見下して、読まず嫌いでいた人はいませんか?(←僕のことですマジすいません)
— 鯖缶メモ (@savacanmemo) 2018年5月31日
面白いです!読まないのもったいない!
(「#キャプテン翼」のワクワク感を、ちょっとダークな味付けにした感じ?) pic.twitter.com/xg7lDxJxs1
スラムダンク世代は、意識してか無意識にか「黒子のバスケ」を下に見ていると思う。(まったく情けない話だけど、少なくとも僕はそうでした)
読み終わって、もちろん僕はスラムダンクの方が好きなんだけど、「読んだこともないくせにバカにしててごめん」とは思った。
「達人伝」
「#達人伝」面白い!
— 鯖缶メモ (@savacanmemo) 2018年5月27日
「#蒼天航路」の方が派手に見えるけど、でもひょっとしてスケールが大きいのはこっちかも知れない、とも思う。
(両方好き)
なんでかな? pic.twitter.com/bbDAOC97r3
「強い」「頭がいい」「モテる」「(スポーツとか)一芸に秀で、それを究める」とか以外に、「人としてのスケールがデカい」というような尺度があった方が、自分も世の中も幸せになれる気がする。「蒼天航路」もそうだけど、この作品もそんなことを思いながら読んだ。
「蒼天航路」は、「スケールのデカい英雄」を描いてて、「達人伝」は、「スケールのデカさ」を描いてるのかもしれないな、となんとなく思っている。多分、後者の方が難しいだろう。続きが楽しみ。
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(おわりに)
最近、こんなマンガを読んできました。「新しいものと出会って感性を若く保つ」とか言っておきながら、「メジャーな作品ばかり」(かつ「ハチワンダイバー」と「べしゃり暮らし」は読み直し)というひどい有様ですが、ちょっとずつ読んで、ちょっとずつ紹介していこうと思います。また書きます。よろしくお願いします。
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