ずっと前に、AKBとエヴァンゲリオンは似てるな、って思ったことがあって、そのことをいろんな人に話してるんだけど、今のところ1人にしか賛成してもらってない。でも、何度思い直しても「結構正しいのでは?」とも思うので書いてみたい。
基本的には、AKBを食わず嫌いしてる人(今時、そんな人いるのかな?)に、「AKB結構泣けますよ」とおすすめする話です。
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とは言え、僕はAKBをほとんど知らない
僕のAKBファン度の説明を無理矢理にでも説明してみると、アラフォーの男性100人を無作為に抽出したら、多分27位ぐらいだと予想。
100人中、「実際にライブに複数回行ったことがある人」って、何人ぐらいいるんだろう? 多分1人もいないんじゃないか。どうなんだろう?「ずっと気にしてフォローしていて、何らかの形でコンテンツにお金を出してる人」の人数は?3~4人? 「お気に入りの特定のメンバーがいて、名前を知ってるメンバーを15人以上あげられる人」は? 15人ぐらい? ちょっともうわからない。
なんでこんなこと書いてみたかと言うと、「大人気アイドルグループ」とは言え、もはや「マニア」以外はあまりAKBのことをよく知らないんじゃないか、という実感があって、そのことをメモしておきたいだけなんだけど。
僕らの子供の頃は、例えば「プロ野球の巨人戦」とかは「国民的コンテンツ」で、「好むと好まざるにかかわらず、テレビで視聴率を20%以上取るもの」だった。しかも、「家族のそれぞれがPCやスマホで好きなコンテンツを消費」というわけではないから、「お父さんがテレビで巨人戦見てたら、他の家族は少なくともちょっとは付き合わざるを得ない」というような。
現在、それに匹敵するような国民的コンテンツってあるんだろうか? 少し前なら「ジブリ」と、「SMAP」だと思うんだけど、それももはや「現在」というより「過去」に近い。
僕がAKBのことをどのぐらい知ってるかというと、「ドキュメンタリーの映画、1と2を見た」というのがほぼすべて。
(※「DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?」がシリーズ1作目。「DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る」が2作目。タイトル長いので、「1」と「2」とのみ書きます)
つまり、わざわざTSUTAYAで借りてくる程度にはAKBのことが好きなのだ。でも、「ほとんどそれがすべて」というのも決して大げさではなく、多分1番盛り上がってた頃(違ってたら申し訳ないのですが「フライングゲット」の頃を想定しています)、僕は家にテレビもネットもなかった。テレビとネットなしでは、どんなに興味があってもたいしてハマれない。
他に、少年マガジンに連載されていたマンガの「AKB49」は読んでて、完結してからコミックスで読み直した。このマンガは、AKBの研究生に新しく入ったヒロインと、その子に思いを寄せ、女装してAKBの研究生になった主人公の男の子がアイドルとして成功していくラブコメみたいなマンガで、前田敦子や高橋みなみが「本人役」でマンガに出てくる。少年マガジンというメジャー誌で、ほぼリアルタイムで現実が反映された2次創作が連載されてるのが、なんかめまいがして不思議な作品だった(マンガとしても面白いと思います!)。
あとは、職場で昼休みにヤングマガジンとかの週刊誌を立ち読みするときに、グラビアをチラ見するぐらい(本当はガン見したいけど、職場の近くのコンビニでは「グラビアをガン見」さすがに無理)。
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ドキュメンタリー映画の「1」と「2」を見た。
さて、長々と「僕はAKBをほとんど知らない」と書いてきた。要するに、「にわかファンなので、間違ってたらすみません、ガチの方は怒らないでください」という言い訳である。
言い訳に気が済んだので、あとは「僕よりもAKBのことを知らない人」(僕の想像では案外たくさんいるはず)に、AKBをおすすめ、するのみである。
ドキュメンタリー映画を見て、僕がグッときたのは、彼女らがステージに出る前のかけ声。円陣を組んで、「冷静、丁寧、正確に! AKB! 48!」みたいに声を合わせるんである。
これからステージに出る前には、「スマイルとオーラで客をぶちかましていくぞ」みたいな、テンションを煽ってアゲるような言葉になるのかと、安易に想像していた。でも、「テンションが上がってるのは当たり前で、むしろ冷静にやるべきことをやれよ」という方向の言葉だったので、なんかカッコいい、と思った。
どちらかというと、高校野球の強豪校みたいで、「体育会系のノリなんだけど、垢抜けてて厳しさをむやみに強調する感じじゃない」みたいな印象を受けたのだ。
ドキュメンタリーの映画は「1」のほうが「映画」としては作品性が強いように思う。朝起きたら毒虫になっていたグレゴール・ザムザ(カフカ「変身」)のように、「訳も分からず、アイドルになっていた不条理な怖さ」がインタビューの行間から浮かび上がるような感じ。
でも、「映画としての面白さ」ではなく、「AKBの面白さ」がより強く伝わってくるのは「2」だと思う。
「2」の話。
モノマネとかでもネタになってる前田敦子の「私のことは嫌いになっても、AKBは嫌いにならないで」のシーンを見たとき(これはドキュメンタリー映画のためのシーンじゃないんだろうけど、僕が見たのはこの映画が最初だったので)、僕はこの人は天才なんだな、と思った。
『AKB48総選挙』名シーンランキング、前田敦子の歴史的名言が1位に | ORICON NEWS
「総選挙」の会場に詰めかけたようなファン、自分に投票してくれた人に対して、泣きながらお礼を言ったりする、のが普通のスピーチだと想像するんだけど、前田敦子は、目の前にいるファンやアンチだけじゃなくて、自分やAKBに興味を持ってない「テレビの前にいるAKBファン以外の普通の人」にも「何かを訴える言葉」を、本能的に知ってるんじゃないかな、という印象を僕は受けて、鳥肌が立つ思いがした。
さて、映画冒頭。東日本大震災が起きてから間もない被災地にバスで向かうメンバーの様子が映される。ショートパンツで足を出してはいるものの、メンバーはみんな地味な格好だ。「制服のような、華美なアイドルっぽい格好では被災直後にはそぐわない」というようなことだと想像するんだけど、この様子が、「武器を持たず丸腰で戦場に出向くような」感じにも見える。
なにせ、みんな「不安を隠しきれない」というような表情なのだ。「被災地に行って? 被災者の子供やお年寄りを元気づける? 歌で? 笑顔見せるの? どうしたらいいの?」と言うような。
本当は「国民的」でも何でもないのに(そんな人存在しない)「国民的アイドル」っていう役割を、演じ切らなくちゃいけない、というようなドラマを、僕は感じ取った。
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エヴァンゲリオンとだいたい同じ
被災地に向かう10代の少女たちは、エヴァンゲリオンに乗り込む碇シンジの姿が重なった。
「逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ・・・」のアレだ。
そう思うと、僕にはそうとしか思えなくなってきた。「誰かがエヴァンゲリオンに乗り込んで、使徒と戦わなくちゃいけない。それはわかってる。でも、それって、私?」
秋元康は、碇ゲンドウ。前田敦子が綾波レイ。大島優子がアスカ。高橋みなみがミサト、でどうか。碇シンジは、「それ以外のメンバー全員」である。
綾波とアスカが戦ってる。「どうしてあんなに戦えるんだ」みたいなことをシンジは思う。自分だって、父親に認められたい。でも本当は、覚悟できてない。けど、覚悟するしかない。
そんなことを想像してドキュメンタリーを見て、端的に言えば「手に汗握って楽しんだし、泣いた」というだけの話である。
おわりに
すごく面白かった、と言っても「3」以降は見てなくて、僕は今のAKBのメンバーをひょっとしたら1人も名前を言えない。横山由依? 今予測変換で出たから多分合ってると思うけど・・・ あと、松井珠理奈。
そんなぐらいの「何も知らない」人間なので、多分AKBのことはもう書くことはないと思います。諸々の思い込みや単純な事実誤認があったら申し訳ないです。
もし、食わず嫌いの人がいたら、見てみると面白いはずですよ、というつもりで書きました。最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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