リスニングの勉強のコツを文章で伝えるのは難しいけど、1つだけ簡単に伝えられる真実がある。
「速読力を鍛えると、リスニング力が上がる」だ。
少し考えると結構当たり前のこと。英語の内容が聞き取れない時には、「RとLの聞き分けが難しいから、内容が理解できない」というテクニカルな原因であることは実はそんなにない。
多くは、語彙力の問題。知らない単語や言い回しを聞き取るのは不可能。もう1つは、「聞き取った音声の、意味を理解するのが追いつかない」というスピードの問題が、実は大きい。「正しく聞き取りもできてるし、単語の意味も知ってる」という状態でも、それが頭の中で意味を結ばなければ、なかなかリスニングできたことにはならない、ということだ。
だから、速読力とリスニング力は比例する、という理屈だ。だから、どちらか得意な方から鍛えればいい。僕自身はリーディングのほうが得意だったので、先にリーディングを鍛えた。村上春樹の小説を繰り返し読んでいたことを思い出して、英訳版を読んだ。内容がわかってるから、サクサク読める。英文法を学ぶためでもなく、翻訳の妙技を盗むためでもなく、ただ速読のトレーニングとしてやればいい。そうすると、いつの間にかリスニング力も上がっていたのだ。
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トレーニング用の素材を選ぶときも、無理して苦手なものを選ぶ必要はない。そもそも、日本語の読書でも、日本語の聞き取りでも、「興味のないジャンル」「苦手なジャンル」を選べば、速度も精度も落ちるのが当然である。好きなセレブのインタビュー記事とか、好きなマンガの英訳版、好きなスポーツの英語中継。得意なジャンルでトレーニングしたらいい。得意なジャンルで基礎体力が上がれば、「苦手なジャンルだけど短いもの」「知らない分野だけど平易なもの」などを苦にせず取り組めるようになっているはず。
特に得意ジャンルが思いつかない人には、「同じものを繰り返しやる」という方法がおすすめ。同じ映画をもう一度見たら、すでにストーリーは頭に入ってるので、「ここで主人公が、ヒロインをちょっとシャレた言い方でデートに誘う」「でもあっけなくフラれる」と、文脈がわかった上でそのシーンを見れば、自然とセリフが聞き取れることが多いと思う。
英語の勉強は基本的には「量」が大事なので、勉強の85%は自分の好きなことをやっていればいいと思う。ただし、自分があまり好きでない勉強(僕の場合は英作文でした)も、忘れずに意識しておきたい。苦手な勉強は、少し簡単なレベルの教材を選ぶのがおすすめ。好きな勉強の気分転換に、「苦手だけどサクサク進む勉強」を挟むことができれば、「ヤル気スパイラル」が発動できる!
臆さずに、「得意なもの」「好きなもの」からどんどん進んでいきましょう!
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