鯖缶@3rd&forever

2児の父のエッセイブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターあるあるなど。

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説得するな!(クレーム対応で使える考え方②)

電話対応に限らず、相手を怒らせやすい態度や言葉遣いってある。例えば、「相手の都合よりも自分の都合を優先させる考え方」「相手の気持ちよりも、自分の気持ちを優先させる態度」なんかがそうだ。しかも、そういう傾向がある人は、自分でもその傾向に気づかないものだし、気づいたとしても直すのは簡単じゃない。

 

でも、そういう人は当たり前にいるし、コールセンターのオペレーターとして働いていたりする。遅刻ギリギリで来て、仕事で使う端末のログインや日毎の注意点を聞く、という仕事の準備よりも前に「電車遅れてホント大変だった」と周囲に聞こえるように独り言をつぶやく人、よくいる。電話してくる客の不機嫌に動揺して、説明を求められてないのに「受付専門の者しかこの時間は準備をしておりませんので」だとか不必要なトークを始める人、全然いる。

 

そういうオペレーターを仮に、「地雷踏男(じらい・ふみお)」と名付けよう。
ふみお君の教育係になったあなたは、どのようにしたら、ふみお君にアドバイスができるか。正直言って、これはなかなかの難問だと思う。何しろ、「自分の気持ち」を優先する彼に、ヘタな指摘をしても、「指摘の内容」が身につくことは考えにくい。説教でもしようものなら、指導内容など頭に入らず、「自分は間違ってない」という自己弁護で、ふみお君の頭はいっぱいになってしまう。

どうしたらいいか、考えてみたい。

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考え方を伝える時には、具体的なセリフを

僕は、具体的なセリフを教えるのが有力ではないか、と今のところ思ってる。

例:「土日はお休みを頂いておりますので、大変申しわけありませんが、ご対応いたしかねます」

こんなセリフがあったとする。よくありそうなセリフだし、物腰の柔らかな対応ができるオペレーターが話せば、特にトラブルのにおいはしない。だけど、上のセリフをふみお君が話すと、なんか人をイライラさせるのだ。僕は、次のように言い換えてみるようにアドバイスする。

 

言い換え例:「土日はお休みでございまして・・・大変心苦しいのですが、月曜に対応させていただきます」

土日に対応できない、という否定表現を、月曜に対応する、というポジティブ表現に変えるのは、よくあるテクニックなのでそれはいいとして、僕がひそかに重要かな、と思っているのは、


「~~ですので」を、「(申し訳なさそうに)~~でして・・・」に言い換えるところ。

 

「営業時間が17時まででございますので
「営業時間が17時まで、でございまして・・・」
のニュアンスの違い。どうだろうか?

 

「こちらは対応部署が異なりますので
「こちらは対応部署が異なりまして」
ではどうだろうか?

 

「ございますので」の方がやや言い訳っぽく感じないだろうか?理由の説明が、やや押し付けがましくなりやすい気がする。「理由があるので、仕方ないですよね?」と、開き直ったイメージになりやすい、というか。
「でして・・・」のほうは、「こんなこと言っても言い訳にならないことはわかっています。ただ、事実として伝えています」という、謙虚で言い訳のないニュアンスに、ほんの少し近くないだろうか?

 

正直言うと、あんまり大差ないとも思う。言葉選びよりも、声のトーンのほうが印象としては重要だ。でも、ふみお君にアドバイスする、という前提で言えばこの違いを意識してもらうのは有効だと思う。「~でございますので」と、ふみお君が言うときは、イラっとさせるような態度が含まれやすい。だけど、ふみお君に「君の話し方は人をイライラさせる」と指摘するのは逆効果。なので、ふみお君の態度を直すのではなく、あくまでセリフを言い換えてもらうように誘導するのだ。

そして、実際の業務で、客の反応がよくなる(ありがとう、などと言ってもらえる)ような機会があれば、ふみお君の言い訳がましい態度は減っていくはずである。

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「理由を説明しても、説得する必要はない」


これがまとめ、である。お客様の要望を断るときは、「理由を説明」して「代案を提示」というのがよく言われる対応例。これは、どの業界のコールセンターでもおそらく大差ないだろう。理由を説明せずに断ると、「門前払い」のような印象になり、対応として失礼だ。でも、その理由を納得してもらおうとすると、反発を招く場合がある。

 

「営業時間が終わると対応が翌日になる」のは単なる事実だが、それを説明する時に、「だから対応できないのはしょうがないですよね?」と、納得を求める必要はない。説明されただけなら諦めもつくが、「しょうがないですよね?」というニュアンスで言われたら面白く感じない人も多いのではないか?

 

「おたくの会社の説明が不十分なせいで困ってるのに、営業時間なんて理由にならないでしょ」などと、言いたくもなってしまうだろう。

 

地雷原に踏み込まないように、なるべく自分からは動かないのが、実践的な考え方のように思う。

 

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