鯖缶@3rd&forever

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新人オペレーターへ5つのアドバイス(クレーム対応に使える考え方⑥)

さて、クレーム対応のコツとして、「オペレーターが、自身の怒りのスイッチを切るルーティンを作るのがオススメ」との主旨の記事を書いた。

怒りのスイッチを切れ!(クレーム対応に使える考え方⑤) - 鯖缶@3rd&forever

それに関連して、新人オペレーターを指導する立場になったときに使える考え方をまとめてみたい。新人オペレーターにいくつか考え方を紹介して、そのうちで納得できそうなものだけ拾ってもらえばいい。どんなコツを教えたら、うまくいくだろうか?

 

 

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①他人の尻拭いをすることでしか、自分のミスは取り返せない

新人オペレーターの中には、「自分のせいじゃないのに、謝るなんて納得いかない」「他の部署が失敗したのに、お客さんはとりあえずコールセンターにかけてくる。なんで僕が謝らなきゃいけないんだ」みたいなことを、無意識に考えていたりする人もいる。甘えた考えかもしれないが、その考えを頭ごなしに否定すると、場合によっては逆効果だろう(「言い分を認めてもらえなかった」と意固地になってしまうかもしれない)。むしろ、自分のせいじゃないのに謝りたくないのは当たり前の感情だ。

 

だから、少し俯瞰して考えてみるように導いたらどうだろうか。
僕はこんなふうに考えている。「そもそも今まで、自分のミスを自分で取り返すことができたことなんて、どれだけあっただろう?」と。サッカーで例えてみる。ゴールキーパーがミスをして点を取られた。キーパー自身が、点を取り返せることはめったにない。フォワードの選手がボールを失った。中盤や守備の選手がフォローして、相手の攻めを守ってくれるから、自分も守備に戻れる。

 

仕事でも同じではないか。「自分のしたミスを、自分で取り返したい」と思う責任感の強い人でも、実際には自分のミスは、誰かが尻拭いしてくれている(または気づかないうちに客が許してくれている)ことがほとんどだ。だから、「他人の尻拭いをするのは、自分がかつてたミスを取り返せる唯一のチャンス」なのだ。

 

②声色ではなく、話の内容に耳を傾けて

新人は、こうも思っている。「いくら客だからって、高圧的な態度で話されるとムカつくんですけど」と。ここで、教育係としては、「今のお客さんはちょっとヤバい人だったね。ドンマイ」だけで、話を片付けてしまわないように気をつけたい。

 

なぜなら、「ごく普通の当たり前の人が、何気なく高圧的に話すのにしばしば出くわす」のがコールセンターの日常だからだ。そこで、イメージしたいのは、「客の状況や感情はコントロールできないけど、チューニングはできるはず」というイメージ。「不機嫌そうに、めんどくさそうに話す客」に、過敏に反応してしまうとうまくいかない。オペレーターが、低姿勢でハキハキと話していると、それにつられて客も穏やかになってくるものである。

 

つまり、「ヤバい客の対応ばかりでやってらんない」と思ってると、本当にそうなってしまう。「ほとんどは普通の人なんだから、こちらが普通に話していれば、それは通じるはず」と思いながら話していると、本当にそうなることが多い。少なくとも、「ただの不機嫌な普通の電話」となるか、「簡単には収まらないクレーム」に発展するか、オペレーター自身のイメージが影響するのは間違いない。

 

だから、客の声色には過敏に反応しないように、新人オペレーターにはアドバイスをしたい。客の言ってることは、内容だけ取り出すと「担当者に電話させろ」と言ってるだけだったりするものである。

 

③チームプレーだと思い出して

新人オペレーターが、「自分の気持ちvs客の気持ち」という狭い視野から脱することができれば、それだけで解決に近づくきっかけになる。

 

僕自身がクレーム対応をするときには、その対応を横で聞いている後輩や上司の存在を意識するようにしている。それは、「クレーム対応上手ですね」と褒められたいから、ということも少しはあるけど、大きいのは「第3者の目を意識すると、自分の怒りが冷めやすいから」だ。横でチームメートが見ていてくれるとわかれば、謝罪は屈辱ではなくて単なるナイスプレーである。

 

だから、「客に対して話すつもりではなく、演技の練習を演出家に見せてるつもりで話して」などとアドバイスする。拙い対応を直すように説教しなくても、うまくいった対応を一言褒めるだけでも、十分効果がある。

 

④丁寧な話し方をしてくれる客へ感謝

クレーム対応の電話が終わってから、とても悔しい思いをした新人オペレーターを慰めるときに、「今の人ヤバかったね」などと安易に客をクレーマー扱いしないほうがいい。新人の意識を、「理不尽なことをされた」という部分にフォーカスさせてしまうことにつながりかねないからだ。

 

「今の電話みたいな不満を、丁寧に話してくれるお客さんって本当に偉いよね」と、伝えたい。つまり、普段からそう言う風に考えるクセをつけるのである。「丁寧に話してくれる客への感謝の気持ち」を持って電話対応をしていると、自然と客をいい方向に導きやすいからだ。

 

⑤「きっと死ぬ前に後悔するはずだから大丈夫」

さてそれでも、新人オペレーターには、「理不尽に罵声を浴びせられた」という経験がきっと何度も訪れる。そんな時にはやはり、クレーマーに対して「この人かわいそう」と思うのが王道だろう。

 

僕自身は、「客という立場を利用して」「反論が許されないオペレーターに対し」「繰り返し叱責をする人」と遭遇した時には、「この人は誰にも愛されずに死んでいくんだろう。死ぬ直前に、自分の態度を後悔するんだろうな、かわいそうに」と、心で手を合わせることにしている。お経を読むような気持ちで、受け答えをするよう、新人にアドバイスしてみたらどうだろうか。

まとめ

①~⑤まで書いたが、そのすべてを新人オペレーターに納得させる必要はない。どれか1つでもヒントになるものがあれば、一番納得できる考え方を使って、「オペレーター自身も感情的になったら損」というポイントをしっかり浸透させればいい。ちょっと難しい内容の電話をうまく着地させることができる経験を積めば、あとは新人自身が気づいて、コツをつかんでいくはずだ。

 

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