鯖缶@3rd&forever

2児の父のエッセイブログです。子育て、英語ネタ、コールセンターあるあるなど。

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ハンドシェイクの思い出

シェイクハンド(握手)ではなくて、「ハンドシェイク」というのがある。バスケの選手とかが入場してきて、コート脇でリズミカルに手を叩きあうアレのこと。中には、振り付けのような動きも混じったりして、結構練習しないとできなさそうなやつもある。なんか、「カッコいいのか、カッコ悪いのか、どっちなのかわからん」とように若干冷ややかに僕は思ってた。

でもある日、僕はこの「ハンドシェイク」が、やっぱりイケてるんじゃないかと思うようになった。
ある動画で、「学校の先生がクラス全員とハンドシェイクする」というのを見た。そして、先生は全員の子どもと「それぞれ違う振り付け」のハンドシェイクをしていたのだ。

www.youtube.com

そうか。これは、「オレはお前をマジリスペクト。お前もオレをマジリスペクト」みたいなことなのか!世界でひとつだけの振り付けを作って、それでお互いのテンションを盛り上げるのか!

さっそく、僕はあじ(娘。当時6歳)と、いわし(息子。当時4歳)と、それぞれオリジナルのハンドシェイクを作ってみた。(上に貼った動画を子どもたちに見せて、見せるとマネしたくなるので、作ってみようと誘うのです)

「手のひらで2回タッチ、今度は手の甲で2回タッチ、肩を2回叩いて、ほっぺをツンツンして、ピースでシメ」みたいな。

本当に。これが。盛り上がる。
子どもというより、僕が盛り上がった。

なんというか、「ちょっと恥ずかしいことを一緒にやった」というような一体感が生まれるのだ。


ちょうど、ハンドシェイクが僕ら親子に流行していたある日のこと。娘が不機嫌な日があって、夕食のご飯もスプーンでこねるばかりでなかなか先に進まない。僕が業を煮やして、早く食べるように急かしても、ロクに返事もなくダラダラしてるので、僕は叱りつけてしまった。

「文句あるの? 真剣に食べないなんてダメだよ。ダラダラ遊んでるんだったら、文句言ってるのと同じなんだよ。食べ物に文句を言うなっていつも言ってるでしょ!」と叱って、食べさせようとした。

しかし、娘はうまく飲み込めず、食べたものを吐いてしまったのだ。僕は狼狽した。「甘えてる、のではなく体調が悪かったことに気づいてなかった!頭ごなしに叱りつけてしまった!」

鯖)「ごめんね。無理に食べなくていいから」
あじ)「(ベソをかきながら)パパごめんなさい」

・・・・今思い出しても胸が苦しくなる。

あたりを片付けて、あじの顔を濡れタオルで顔を拭いて、うがいだけさせる。そしてとりあえず布団で横にならせる。多分、ウィルス的な吐き方じゃなくて、うまく飲めなくて吐いたんだと思うけど、心配だ。何かの病気で、いわしにうつっても大変だし・・・とテンパる。いわしの服を脱がせて、風呂に入れようとしてると、布団のところにいるあじと遠くで目があった。

 

あじの右手が、上に出ている。少しして、意味がわかった。

・・・ハンドシェイクだ。

あじは、僕を励まそうとして、ハンドシェイクのマネをしてくれたのである。遠くで、空中でやるからゆっくりだ。手のひらで2回、手の甲で2回。最後はピースで敬礼。

今思い出しても目頭が熱くなる。

そんなハンドシェイクも、ブームは早々に去り、もう今ではやってくれなくなった。娘も次の日にはケロっとしており、普通にメシに文句を言って、僕に怒られてた。

でも、あの時は本当にうれしかったよ。あじ、ありがとう。

 

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